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April 10, 1997 Vol. 336 No. 15

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メトキサレン(ソラレン)と紫外線 A 照射によって治療した乾癬患者における悪性黒色腫
MALIGNANT MELANOMA IN PATIENTS TREATED FOR PSORIASIS WITH METHOXSALEN (PSORALEN) AND ULTRAVIOLET A RADIATION (PUVA)

R.S. STERN, K.T. NICHOLS, AND L.H. VÄKEVÄ

背景

経口メトキサレン(ソラレン)と紫外線 A 照射(PUVA)による光化学療法は,乾癬の有効な治療である.しかし,PUVA は変異原性があり,皮膚扁平上皮癌のリスクを増加させ,不規則な色素沈着皮膚病変を引き起しうる.われわれは,PUVA 治療患者における黒色腫の発生について検討した.

方 法

1975~76 年にはじめて PUVA 治療を受けた乾癬患者 1,380 人について,悪性黒色腫の症例前向きに確認し,PUVA への曝露の程度を報告した.発生率データを用いて,このコホートにおける悪性黒色腫の予測発生率を計算し,それを観察発生率と比較した.回帰モデルを用いて,初回治療後の経過年数が長いこと(≧15 年)に関連する悪性黒色腫のリスクと,PUVA 治療回数が多いこと(≧250 回)に関連する悪性黒色腫のリスクを評価した.

結 果

1975~90 年に,悪性黒色腫は 4 例認められたが,これは総人口で予測された数にほぼ等しかった(相対危険度,1.1).1991~96 年には,悪性黒色腫は 7 例認められた(相対危険度,5.4;95%信頼区間,2.2~11.1).悪性黒色腫のリスクは,初回治療後の経過年数が 15 年以上の患者のほうが 15 年未満の患者よりも高く(発生率比,3.8),PUVA 治療を 250 回以上受けた患者のほうが 250 回未満の患者よりも高かった(発生率比,3.1).

結 論

最初の PUVA 治療後約 15 年で,悪性黒色腫のリスクは,とくに治療を 250 回以上受けた患者において上昇する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1041 - 5. )