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April 17, 1997 Vol. 336 No. 16

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血圧に及ぼす食事パターンの効果に関する臨床試験
A CLINICAL TRIAL OF THE EFFECTS OF DIETARY PATTERNS ON BLOOD PRESSURE

L.J. APPEL AND OTHERS

背景

肥満,塩分摂取,そしてアルコール摂取は血圧に影響を及ぼすことがわか っている.本臨床試験,すなわち“高血圧症を防止するための食事アプローチ”では,血圧に及ぼす食事パターンの効果を評価した.

方 法

収縮期血圧が 160 mmHg 未満でかつ拡張期血圧が 80~95 mmHg の成人 459 人を登録した.被験者に対し,果物,野菜,そして乳製品に乏しく,脂肪含有量がアメリカの平均的食事の典型である対照食を 3 週間与えた.次に被験者を無作為割付けして対照食,果物や野菜に富む食事,または果物,野菜,および低脂肪乳製品に富み,飽和脂肪および総脂肪の少ない“配合”食を 8 週間与えた.塩分の摂取および体重は一定レベルで維持された.

結 果

ベースラインでの収縮期および拡張期血圧の平均値(±SD)はそれぞれ,131.3±10.8 mmHg および 84.7±4.7 mmHg であった.配合食は,対照食より収縮期および拡張期血圧をそれぞれ 5.5 および 3.0 mmHg 低下させた(それぞれ p<0.001);果物や野菜に富む食事は,対照食より収縮期血圧を 2.8 mmHg(p<0.001),そして拡張期血圧を 1.1 mmHg(p=0.07)低下させた.高血圧症被験者(収縮期血圧,≧140 mmHg;拡張期血圧,≧90 mmHg;またはその両方)133 人では,配合食は対照食より収縮期および拡張期血圧をそれぞれ 11.4 mmHg,5.5 mmHg 低下させた(それぞれ p<0.001);高血圧症でない被験者 326 人では,対応する低下はそれぞれ 3.5 mmHg(p<0.001)と 2.1 mmHg(p=0.003)であった.

結 論

果物,野菜,そして低脂肪乳製品に富み,飽和脂肪および総脂肪の少ない食事は,血圧を十分に低下させることができる.この食事は高血圧症の予防および治療に対する栄養面からのアプローチとなる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1117 - 24. )