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April 24, 1997 Vol. 336 No. 17

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陰茎包皮環状切除術のさいの疼痛に対するリドカイン–プリロカインクリームの有効性および安全性
EFFICACY AND SAFETY OF LIDOCAINE–PRILOCAINE CREAM FOR PAIN DURING CIRCUMCISION

A. TADDIO AND OTHERS

背景

新生児陰茎包皮環状切除術は,痛みを伴う手術であるが,鎮痛剤を用いないで実施されることも多い.われわれは,包皮環状切除術を受ける新生児における 5%リドカイン–プリロカインクリーム(Emla)の有効性および安全性を評価した.

方 法

満期産の男児新生児 68 人における二重盲検無作為比較臨床試験を実施した:38 人をリドカイン–プリロカインクリーム投与に割付けし,30 人をプラセボ投与に割付けした.リドカイン–プリロカインクリームまたはプラセボ 1 g を,包皮環状切除術の前に 60~80 分間閉鎖包帯下で陰茎に塗布した.手術中,行動的(顔の表情と泣いている時間)および生理的(心拍数および血圧)反応を記録した.薬物塗布後種々の時間に血液サンプルを採取し,メトヘモグロビンおよび血漿中リドカイン,プリロカイン,および o-トルイジン(プリロカイン代謝物)を測定した.

結 果

68 人で安全性を解析し,59 人で有効性を解析した.在胎期間,出生体重などの人口統計学的特性には,リドカイン–プリロカイン群とプラセボ群とで差はなかった.包皮環状切除術のあいだ,リドカイン–プリロカイン群の新生児では,プラセボ群の新生児より顔の表情の変化が少なく(p=0.01),泣いている時間が短く(p<0.001),心拍数の増加が少なかった(p=0.007).リドカイン–プリロカイン群では,手術のさまざまな段階での表情の変化度スコアは 12~49%であった.リドカイン–プリロカイン群の新生児は,泣いている時間がプラセボ群の半分以下で,心拍数の増加がプラセボ群より 10 回/分以上少なかった.メトヘモグロビンの血中濃度(ヘモグロビン濃度の百分率として表示)は,両群で同程度(1.3%)であった.リドカイン–プリロカインクリームを塗布した乳児では,血漿中にリドカインとプリロカインがそれぞれ 23 人(61%)と 21 人(55%)に検出された.

結 論

リドカイン–プリロカインクリームは,新生児の包皮環状切除術の疼痛予防に有効かつ安全である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1197 - 201. )