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May 1, 1997 Vol. 336 No. 18

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身体的活動と乳癌のリスク
PHYSICAL ACTIVITY AND THE RISK OF BREAST CANCER

I. THUNE, T. BRENN, E. LUND, AND M. GAARD

背景

身体的活動は,ホルモン濃度およびエネルギーバランスに影響を及ぼす可能性があるため,われわれは,毎日の運動が乳癌のリスクに関連するか否かを調査することにした.

方 法

1974~1978 年および 1977~1983 年のあいだに,登録時年齢 20~54 歳の女性 25,624 人が健康調査に登録し,余暇時間および労働時における活動に関する質問書に回答した.

結 果

追跡期間中央値 13.7 年のあいだに,このコホートの女性 25,624 人中,浸潤性乳癌 351 症例を確認した.年齢,body-mass index(体重 [kg] を身長 [m] の二乗で割ったもの),身長,出産経歴,そして居住地域について補正したところ(相対リスク,0.63;95%信頼区間,0.42~0.95),座りがちな女性と比べて定期的に運動する女性では,余暇時間における活動が盛んなほど乳癌のリスクが低下した(傾向に関する p = 0.04).定期的に運動している女性では,リスクの低下は,閉経後女性より閉経前女性で大きく,年齢がより高い女性(登録時に≧45 歳)より,年齢がより低い女性(<45 歳)で大きかった(相対リスク,0.38;95%信頼区間,0.19~0.79).層別分析では,週に 4 時間以上運動する痩せた女性(body-mass index,<22.8)で乳癌のリスクがもっとも低かった(相対リスク,0.28; 95%信頼区間,0.11~0.70).リスクはまた,労働時の活動レベルが高いほど低下し,ここでも,閉経後女性より閉経前女性により顕著な効果を認めた.

結 論

余暇時間および労働時における身体的活動は乳癌のリスク低下に関連する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1269 - 75. )