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June 26, 1997 Vol. 336 No. 26

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インスリン依存型糖尿病の若い女性における摂食行動障害と微小血管合併症
DISORDERED EATING BEHAVIOR AND MICROVASCULAR COMPLICATIONS IN YOUNG WOMEN WITH INSULIN-DEPENDENT DIABETES MELLITUS

A.C. RYDALL, G.M. RODIN, M.P. OLMSTED, R.G. DEVENYI, AND D. DANEMAN

背景

インスリン依存型糖尿病(IDDM)と摂食障害は,北米の若い女性では比較的一般的である.これらが同時に起れば,代謝調節不良となり,IDDM の微小血管合併症のリスクが増加する.

方 法

IDDM の若い女性 91 人をベースライン時および 4~5 年後に調査して,(体重を制御するための意図的なインスリン非投与または用量減少を含む自己申告による実際の食事と体重減少に基づく)摂食行動障害の発生と持続およびそのような摂食障害と代謝調節,糖尿病性網膜症,ならびに尿中アルブミン排泄との関連を明らかにした.ベースライン時の若い女性の平均年齢は 15±2 歳,および糖尿病の期間は 7±4 年であった.

結 果

ベースラインでは,若い女性 91 人中 26 人(29%)に,高度から中等度の摂食行動障害を認め,この障害は 16 人(18%)で持続し,10 人(11%)では改善した.ベースラインで正常な摂食行動を示した女性 65 人(71%)では,追跡調査時に 14 人(15%)に摂食障害を認めた.体重を減少させるためのインスリンの非投与または用量減少は,ベースラインで若い女性 88 人中 12 人(14%)に報告され,追跡調査時では 30 人(34%)に報告された(p=0.003).ベースライン時の平均(±SD)ヘモグロビン A1C 値は,高度摂食行動障害群(11.1±1.2%)では中等度摂食行動障害群(8.9±1.7%)または非障害群(8.7±1.6%,p<0.001)より高かった.ベースラインでの摂食障害は 4 年後の網膜症と関連があり(p=0.004),4 年後では,高度摂食行動障害の若い女性の 86%,中等度摂食行動障害の女性の 43%,および非摂食行動障害の女性の 24%が網膜症であった.

結 論

摂食行動障害は,IDDM の若い女性に一般的でしかも持続的であり,代謝調節障害および糖尿病性網膜症のリスクがより高くなる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1849 - 54. )