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June 26, 1997 Vol. 336 No. 26

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東部ウマ脳炎の臨床所見と神経放射線造影所見
CLINICAL AND NEURORADIOGRAPHIC MANIFESTATIONS OF EASTERN EQUINE ENCEPHALITIS

R.L. DERESIEWICZ, S.J. THALER, L. HSU, AND A.A. ZAMANI

背景

東部ウマ脳炎は,主として米国東部およびメキシコ湾沿岸に沿って発生する.東部ウマ脳炎の神経放射線造影所見を認識すれば,疾患の診断を早め,指標となる症例に対する反応を早めることができる.

方 法

われわれは,米国で 1988~94 年のあいだに報告された東部ウマ脳炎の全症例を再検討した.患者 33 人からのコンピュータ断層撮影(CT)スキャン 57 件および磁気共鳴画像(MRI)スキャン 23 件を含む,患者 36 人の記録を調べた.

結 果

死亡率は 36%で,生存者の 35%に中等度または重度の後遺障害が残った.神経放射線造影上の異常は一般的で,MRI によってもっともよく可視化された.MRI スキャンを入手できた患者の中では,昏睡患者 8 人全員の結果が異常であり,またその後昏睡に陥った非昏睡患者 3 人全員も異常であった.CT の結果は,そのスキャンの判読可能な患者 32 人中 21 人で異常であった.異常所見は,基底核(MRI では 71%そして CT では 56%に発見),視床(MRI では 71%そして CT では 25%に発見),および脳幹(MRI では 43%そして CT では 9%に発見)における局在病変であった.皮質病変,髄膜肥厚,および脳室周囲白質の変化はより少なかった.放射線造影上の大きい病変の存在は転帰不良の予測にはならなかったが,脳脊髄液中の白血球数が多い場合,または重度の低ナトリウム血症では転帰不良が予測された.

結 論

東部ウマ脳炎は,放射線造影上の局在所見を示す.基底核および視床が早期に特徴的に関係することから,この疾患は単純ヘルペス脳炎と識別される.MRI は,このウイルス性脳炎の早期放射線造影所見を特定できる感度を有する技法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 1867 - 74. )