The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

February 6, 1997 Vol. 336 No. 6

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

肺癌に対する化学療法後の血小板数に及ぼすポリエチレングリコール結合遺伝子組換えヒト巨核球増殖分化因子の効果
EFFECTS OF PEG–CONJUGATED RECOMBINANT HUMAN MEGAKARYOCYTE GROWTH AND DEVELOPMENT FACTOR ON PLATELET COUNTS AFTER CHEMOTHERAPY

M. FANUCCHI AND OTHERS

背景

ポリエチレングリコール(PEG)結合遺伝子組換えヒト巨核球増殖分化因子(MGDF,PEG-rHuMGDF としても知られる)は,トロンボポエチンに関連した遺伝子組換え分子であり,巨核球造血と血小板産生を特異的に刺激し,化学療法で骨髄抑制を生じさせた動物モデルでは,血小板減少症の重症度を低下させる.

方 法

カルボプラチンとぺクリタキセルで治療した肺癌患者 53 人に対し,MGDF の無作為二重盲検プラセボ対照用量漸増試験を実施した.1 ブロック 4 人の患者を,1:3 の割合でプラセボまたは MGDF(0.03,0.1,0.3,1.0,3.0,5.0 μg/kg 体重/日)の皮下注射に無作為に割り付けた.これ以外の骨髄活性化サイトカインは投与しなかった.

結 果

化学療法後に MGDF を投与した患者 38 人では,最低血小板数の中央値は 188,000/mm3(範囲,68,000~373,000)であったのに対し,プラセボを投与した患者 12 人では,111,000 個/mm3(範囲,21,000~307,000)であった(p=0.013).血小板数がベースライン値に回復するのに要した期間は MGDF 投与患者では 14 日であったのに対し,プラセボ投与患者では 21 日以上であった(p<0.001).MGDF を投与された全 40 人中,1 人に深部静脈血栓症と肺塞栓症が生じ,もう 1 人に表在性血栓性静脈炎が生じた.

結 論

MGDF は,化学療法誘発性血小板減少症を発症した患者の血小板産生に対して,強力な刺激作用を有する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 404 - 9. )