The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

March 20, 1997 Vol. 336 No. 12

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

無症候性肝疾患成人における特発性胆管減少症
IDIOPATHIC BILIARY DUCTOPENIA IN ADULTS WITHOUT SYMPTOMS OF LIVER DISEASE

A. MORENO, V. CARREÑО, A. CANO, AND C. GONZÁEZ

背景

特発性成人胆管減少症は,原因不明の重度胆汁うっ滞肝疾患で,門脈路の 50%以上の小葉間胆管の喪失を特徴とする.報告されたほとんどの症例において,肝硬変と肝不全が発症する.

方 法

われわれは,肝機能検査で異常な結果を示しているが肝疾患の症状がみられない成人 24 人を調べた.全員の肝生検が,門脈路における胆管の喪失を示した.

結 果

女性 17 人および男性 7 人の平均年齢は 41 歳(範囲 27~57 歳)であった.全員が無症候性で血清中γ-グルタミルトランスフェラーゼ濃度が高く(平均 [±SD],179±84 U/L);75%では,血清中アラニンアミノトランスフェラーゼ濃度も異常であった.胆管を有する門脈路の割合は 62±7%(範囲,55~78%)であった.患者 3 人では最初の生検後 3~9 年目に 2 回目の肝生検を実施した;その結果経時変化を認めなかった.ウルソジオール 600~900 mg を 1 日 2~3 回毎日投与した患者 5 人中 4 人では,肝機能検査の結果は正常に回復した.

結 論

特発生胆管減少症は,明らかに非進行性の臨床経過をたどり,胆道疾患の症状がない成人においても起りうる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 336 : 835 - 8. )