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October 9, 1997 Vol. 337 No. 15

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進行パーキンソン病における後腹側内側淡蒼球破壊術
POSTEROVENTRAL MEDIAL PALLIDOTOMY IN ADVANCED PARKINSON'S DISEASE

A.E. LANG AND OTHERS

背景

後腹側内側淡蒼球切除は,ときに進行パーキンソン病患者に著しい改善をもたらすが,今日までの試験は,少数の患者と短期間の追跡期間に関するものであった.

方 法

パーキンソン病患者 40 人に対し,薬物投与中止後(「休薬」期間)および最適な薬物投与中(「投薬」期間)に,一連の詳細な評価を行った.患者全員を術前に調べ,39 人を 6 ヵ月目に調べた;また,1 年目に調べた患者は 27 人で,2 年目に調べた患者は 11 人であった.

結 果

6 ヵ月での改善率は以下の通りであった:総合的運動機能に関する休薬期間のスコアは 28%(95%信頼区間,19~38%)で,これは反対側の四肢での改善がもっとも大きかった;日常生活の活動度に関する休薬期間のスコアは,29%(95%信頼区間,19~39%)であった;反対側のジスキネジアに関する投薬期間のスコアは 82%(95%信頼区間,72~91%);そして同側のジスキネジアに関する投薬期間のスコアは 44%(95%信頼区間,29~59%)であった.ジスキネジアの改善および休薬期間のパーキンソン症状,反対側の寡動ならびに筋固縮に関する総合スコアの改善は,2 年間調べた患者 11 人では持続した.同側のジスキネジアの改善は,1 年後に消失し,姿勢の安定性および歩行の改善は 3~6 ヵ月持続したにすぎなかった.手術前に休薬期間で日常活動に介助を要していた患者の約半数が手術後,自立できるようになった.手術の合併症は一般に忍容性が良好で,薬剤の使用に有意な変化を認めなかった.

結 論

末期パーキンソン病では,淡蒼球破壊術はレボドパ誘発ジスキネジアおよび休薬期間の無能力状態を有意に減少させる.同側症状の改善および体中心部症状の改善などのいくつかの改善は 1 年以内に減退するが,有用性の多くは 2 年持続する.ドーパミン作用療法に抵抗性の投薬期間症状は,淡蒼球破壊に反応しない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 1036 - 42. )