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July 31, 1997 Vol. 337 No. 5

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放射線療法とゴセレリンで治療した局所進行前立腺癌患者の生存の改善
IMPROVED SURVIVAL IN PATIENTS WITH LOCALLY ADVANCED PROSTATE CANCER TREATED WITH RADIOTHERAPY AND GOSERELIN

M. BOLLA AND OTHERS

背景

われわれは,無作為プロスペクティブ臨床試験を実施して,局所的に進行した前立腺癌患者における放射線外部照射と放射線外部照射+ゴセレリン(テストステロン分泌を減少させるゴナドトロピン放出ホルモンのアゴニスト類似体)を比較した.

方 法

1987~95 年のあいだに,局所的に進行した前立腺癌患者 415 人を無作為割付けして,放射線療法単独,または放射線療法+ゴセレリンによる即時治療を行った.患者の年齢の中央値は 71 歳(範囲,51~80 歳)であった.両群の患者に対し,50 Gy の放射線を 5 週間にわたって骨盤へ照射し,前立腺に対する強化療法として 20 Gy の放射線をさらに 2 週間照射した.併用治療群の患者には,ゴセレリン(ゾラデックス)3.6 mg を放射線照射初日から 4 週間ごとに皮下投与し,これを 3 年継続した;それらの患者にはまた,ゴセレリン投与によるテストステロンの一過性の上昇を抑制するために,酢酸シプロテロン(150 mg/日,経口投与)を治療の最初の 1 ヵ月間投与した.

結 果

データを分析に利用できたのは患者 401 人であった.追跡期間の中央値は 45 ヵ月であった.5 年総合生存率の Kaplan–Meier 推計値は,併用治療群で 79%(95%信頼区間,72~86%),そして放射線療法群で 62%(95%信頼区間,52~72%)(p=0.001)であった.5 年無症候生存患者の割合は,併用治療群で 85%(95%信頼区間,78~92%),そして放射線療法群で 48%(95%信頼区間,38~58%)であった(p<0.001).

結 論

放射線外部照射と同時に開始したゴセレリンによるアジュバント治療は,局所的に進行した前立腺癌患者の局所コントロールおよび生存を改善する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 295 - 300. )