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July 31, 1997 Vol. 337 No. 5

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終末呼気中の二酸化炭素と院外心停止の転帰
END-TIDAL CARBON DIOXIDE AND OUTCOME OF OUT-OF-HOSPITAL CARDIAC ARREST

R.L. LEVINE, M.A. WAYNE, AND C.C. MILLER

背景

病院外で発生した心停止後の生存率は平均で 3%未満である.不幸にも,長時間の蘇生術の転帰は予測できない.終末呼気中の二酸化炭素レベルは,心肺蘇生術のさいの心拍出量を反映している.われわれは,心停止後の蘇生術のさいの終末呼気中の二酸化炭素をモニターすることによって死亡を予測できるか否かをプロスペクティブに判断した.

方 法

心電図上で活動を示すものの脈がない院外心停止の一連の犠牲者 150 人におけるプロスペクティブ観察試験を実施した.患者に挿管して,主流終末呼気中の二酸化炭素のモニターによって評価した.われわれの仮説は,標準的な二次救命処置の 20 分後の終末呼気中の二酸化炭素レベルが 10 mmHg 未満であれば死亡を予測するというということであった.

結 果

生存して入院した患者(生存者)とそうではなかった患者(非生存者)では,平均年齢または初回の終末呼気中の二酸化炭素レベルに差はなかった.二次救命処置の 20 分後,終末呼気中の二酸化炭素の平均値(±SD)は,非生存者で 4.4±2.9 mmHg および生存者で 32.8±7.4 mmHg(p<0.001)であった.20 分での終末呼気中の 10 mmHg 未満の二酸化炭素値は,生存して入院した患者 35 人と非生存者 115 人との識別に成功した.20 分での終末呼気中の二酸化炭素レベル 10 mmHg 未満という値を,死亡を予測するスクリーニング検査として用いた場合,感度,特異性,陽性予測値,および陰性予測値はすべて 100%であった.

結 論

二次救命処置開始後 20 分に測定した終末呼気中の二酸化炭素レベル 10 mmHg 未満は,電気的活性はあるが脈がない心停止患者において死亡を正確に予測する.そのような患者では心肺蘇生術を終了することが妥当であるかも知れない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 301 - 6. )