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August 7, 1997 Vol. 337 No. 6

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コルチコステロイド誘発性骨粗鬆症の予防に対する間欠的エチドロネート療法
INTERMITTENT ETIDRONATE THERAPY TO PREVENT CORTICOSTEROID-INDUCED OSTEOPOROSIS

J.D. ADACHI AND OTHERS

背景

骨粗鬆症は,コルチコステロイド療法により起ることが知られている合併症である.これを予防できるか否かはわかっていない.

方 法

最近,高用量コルチコステロイド療法を開始した男女 141 人(年齢,19~87 歳)において,エチドロネート間欠投与(400 mg/日を 14 日間)の後にカルシウム(500 mg/日を 76 日間)投与を行う療法を 4 サイクル実施する 12 ヵ月間の無作為化プラセボ対照試験を実施した.主要転帰は,ベースラインから 52 週までの腰椎骨密度変化率の群間差とした.副次的評価項目は,大腿骨頸部,転子部,橈骨の骨密度と,新規椎体骨折の発生率とした.

結 果

エチドロネート群の平均(±SE)骨密度は,腰椎で 0.61±0.54%増加し,転子部で 1.46±0.67%増加したのに対し,プラセボ群では腰椎で 3.23±0.60%低下し,転子部で 2.74±0.66%低下した.1 年後の群間差の平均値は,腰椎で 3.72±0.88 パーセントポイント(p=0.02),転子部で 4.14±0.94 パーセントポイント(p=0.02)であった.大腿骨頸部と橈骨の骨密度変化率には,群間で有意差を認めなかった.エチドロネート群では,新規椎体骨折が発生した閉経後女性の割合が,プラセボ群と比較して 85%減少し(31 人中 1 人 対 32 人中 7 人,p=0.05),エチドロネートを投与した閉経後女性の 1 人当りの椎体骨折も有意に少なかった(p=0.04).

結 論

間欠的エチドロネート療法は,コルチコステロイド治療患者における椎体および転子部の骨喪失を予防する.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 382 - 7. )