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September 11, 1997 Vol. 337 No. 11

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CD4 細胞数 200/mm3 以下の HIV 感染者における二つのヌクレオシド類似体にインジナビルを加えた場合の対照臨床試験
A CONTROLLED TRIAL OF TWO NUCLEOSIDE ANALOGUES PLUS INDINAVIR IN HIV INFECTION AND CD4 CELL COUNTS OF 200/mm3 OR LESS

S.M. HAMMER AND OTHERS

背景

ヒト免疫不全ウイルス 1 型(HIV-1)感染症の治療において,二つのヌクレオシド類似体にプロテアーゼ阻害薬を加えた場合の有効性と安全性は明らかでない.ジドブジンによる治療歴のある HIV 感染成人において,ジドブジンとラミブジンにプロテアーゼ阻害薬であるインジナビルを追加する治療と,この二つのヌクレオシドのみによる治療とを比較した.

方 法

これまでラミブジンまたはプロテアーゼ阻害薬による治療を受けていない患者 1,156 人を,CD4 細胞数(50/mm3 以下 対 51~200/mm3)で層別化し,以下の 2 つのレジメン(一日投与量)のいずれかに無作為に割り付けた:ジドブジン 600 mg とラミブジン 300 mg を投与するレジメン,またはこのレジメンにインジナビル 2,400 mg を追加するレジメン.ジドブジンはスタブジンで代用可能とした.主要エンドポイントは後天性免疫不全症候群(AIDS)発症または死亡までの時間とした.

結 果

疾患が進行し AIDS を発症,または死にいたった患者の割合は,インジナビル+ジドブジン(またはスタブジン)+ラミブジン群(6%)のほうが,ジドブジン(またはスタブジン)+ラミブジンのみの群(11%)よりも低かった(推定ハザード比 0.50,95%信頼区間 0.33~0.76,p=0.001).2 群の死亡率はそれぞれ 1.4%と 3.1%であった (推定ハザード比 0.43,95%信頼区間 0.19~0.99,p=0.04).治療効果は CD4 細胞数に基づく二つの層で同様であった.CD4 細胞および血漿 HIV-1 RNA 量の反応は臨床結果と一致した.

結 論

ジドブジンによる治療歴のある CD4 細胞数 200/mm3 以下の患者において,インジナビル,ジドブジン,ラミブジンによる治療は,ジドブジンとラミブジンのみによる治療と比較して,HIV-1 疾患の進行を有意に遅らせる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 725 - 33. )