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September 25, 1997 Vol. 337 No. 13

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甲状腺癌患者において放射性ヨウ素スキャンのための遺伝子組換え型ヒト甲状腺刺激ホルモン投与と甲状腺ホルモン投与中止との比較
COMPARISON OF RECOMBINANT HUMAN THYROTROPIN WITH WITHDRAWAL OF THYROID HORMONE FOR RADIOACTIVE IODINE SCANNING IN THYROID CARCINOMA

P.W. LADENSON AND OTHERS

背景

分化型甲状腺癌患者における再発癌を検出するため,放射性ヨウ素(ヨウ素-131)スキャンを行うことができるよう,血清中甲状腺刺激ホルモン濃度を上昇させて甲状腺組織を刺激するために,甲状腺ホルモン療法の定期的な中止が必要となることがある.しかし,甲状腺ホルモン療法の中止は甲状腺機能低下症を引き起こす.遺伝子組換え型ヒト甲状腺刺激ホルモンの投与は,甲状腺ホルモン療法の中止を必要とすることなく,甲状腺組織を刺激する.

方 法

甲状腺癌患者 127 人が,全身放射性ヨウ素スキャンを二つの方法によって受けた:まず,甲状腺ホルモン療法を継続しながら甲状腺刺激ホルモンの 2 回投与後,そしてもう一つは甲状腺ホルモン療法中止後である.スキャン結果はスキャニングの条件を知らない医師によって評価された.サイログロブリン血清濃度,甲状腺機能低下症の症状の発現および気分の障害についても検討した.

結 果

患者 127 人中 62 人が,片方または双方の技法による全身放射性ヨウ素スキャン陽性であった.甲状腺刺激ホルモンによる刺激後に得たスキャンは,これらの患者の 41 人(66%)では甲状腺ホルモンの中止後に得たスキャンと同等で,3 人(5%)では優れ,18 人(29%)では劣っていた.一致した陰性スキャンを示した患者 65 人を含めると,二つのスキャンは患者 106 人(83%)で同等であった.患者 8 人(陽性スキャンを少なくとも一つ有する患者の 13%)は,甲状腺ホルモンの中止後に行った優れたスキャンに基づいて放射性ヨウ素で治療した.サイログロブリン血清濃度は,調べた患者 35 人中 15 人で増加した:14 人は甲状腺ホルモン中止後,および 13 人は甲状腺刺激ホルモン投与後であった.患者は,甲状腺ホルモンの中止後では,甲状腺刺激ホルモンの投与後より,甲状腺機能低下症(p < 0.001)の症状,および不快な気分状態(p < 0.001)をより多く示した.

結 論

甲状腺刺激ホルモンは,甲状腺癌患者においてスキャンのための放射性ヨウ素取込みを刺激するが,甲状腺刺激ホルモン投与後のスキャンの感度は,甲状腺ホルモン中止後より低かった.甲状腺刺激ホルモンスキャンでは,症状がより少なく,不快な気分状態が少ない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 888 - 96. )