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October 2, 1997 Vol. 337 No. 14

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リハビリテーション病院に対するメディケア支払いシステムが入院日数,費用,および支払い総額に及ぼす効果
THE EFFECT OF MEDICARE'S PAYMENT SYSTEM FOR REHABILITATION HOSPITALS ON LENGTH OF STAY, CHARGES, AND TOTAL PAYMENTS

L. CHAN AND OTHERS

背景

リハビリテーション病院の支払いに対するメディケアのシステムは,基本年のあいだの退院患者 1 人当りの病院の許容可能な平均費用に由来する限度額に基づく.その後,支払いの上限が設定されるが,翌年度の患者 1 人当りの費用が減少すれば,病院は奨励金を受け取る.われわれは,患者 1 人当りの費用が基本年のあいだに増加し,翌年以降減少するだろうという仮説を立てた.このように,病院はより高い払い戻し上限を得て,費用の低下に対する奨励金を受領するだろう.

方 法

われわれは,1987~94 年のあいだに 69 のリハビリテーション病院を退院した 190,921 人に関するメディケア診療請求データを分析した.病院の基本年の前,基本年のあいだ,そして後における総費用,入院日数,および中間支払いを比較した.

結 果

インフレーションおよび一時的および季節的傾向について調節した後,退院患者 1 人当りの平均費用は,基本年の前年に退院した患者の 25,131 ドルから基本年に退院した患者の 32,167 ドルまで増加し(28%の増加,p<0.001),平均入院日数は 22.1 から 26.7 日に増加した(21%の増加,p<0.001).基本年の後,平均費用は 29,307 ドルに減少し(9%減少),平均入院日数は 24.0 日に減少した(10%減少)(両比較について p<0.001).診断ごとに-例えば脊椎損傷,脳損傷,脳卒中,切断または変形,股関節骨折,および関節炎またはその他の関節障害-患者を分析すると,それぞれについて同様の所見を示し,基本年では料金および入院日数が増加し,その後小さく減少した.営利目的病院では,基本年での患者 1 人当りの費用(平均増加,7,434 ドル 対 2,929 ドル;p<0.001)および入院日数(平均増加,4.6 日 対 2.3 日,p<0.001)が,非営利病院より大きく増加した.

結 論

リハビリテーション病院に対するメディケアの払い戻しシステムは,支払い総額に対して上限を設けているが,その意図は,病院および医師への支払いの有意な増加,そして平均的な患者の入院日数の増加などの実質的な超過費用に関連した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1997; 337 : 978 - 85. )