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January 8, 1998 Vol. 338 No. 2

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非喫煙引退男性の死亡率に及ぼす散歩の効果
EFFECTS OF WALKING ON MORTALITY AMONG NONSMOKING RETIRED MEN

A.A. HAKIM AND OTHERS

背景

運動量の低い活動が高齢男性の長命に影響を及ぼす可能性があるかは,明確には報告されていない.われわれは,非喫煙者で日課として運動量の低い活動を行うことが身体的に可能な引退男性のコホートにおいて,歩くことと死亡率との関連を調査した.

方 法

ホノルル心臓プログラムに登録した 61~81 歳の非喫煙引退男性 707 人を調査した.1980~82 年をベースラインとして,歩いた距離(マイル/日)を記録した.12 年の追跡期間のあいだに総死亡率(いかなる原因にもよる)に関するデータを収集した.

結 果

追跡期間に死亡 208 例を認めた.年齢を補正後,歩行距離が 1 日 1 マイル(1.6 km)未満の男性の死亡率は,1 日 2 マイル(3.2 km)以上の男性のほぼ 2 倍であった(40.5% 対 23.8%,p=0.001).もっとも活発に歩く人の 12 年後の累積死亡率には,もっとも歩かない人は 7 年未満で達した.歩行距離は,活動の指標全体やその他の危険因子を補正後も,依然として死亡率と逆相関していた(p=0.01).

結 論

身体能力のある高齢男性に関する今回の知見は,定期的な歩行が,全死亡率の低下と関連することを示している.高齢者には歩くことを奨励することで,健康に有益となる可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 338 : 94 - 9. )