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October 8, 1998 Vol. 339 No. 15

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小児喘息の補助治療としての能動的指圧療法と模擬的指圧療法の比較
A COMPARISON OF ACTIVE AND SIMULATED CHIROPRACTIC MANIPULATION AS ADJUNCTIVE TREATMENT FOR CHILDHOOD ASTHMA

J. BALON AND OTHERS

背景

脊椎指圧療法は,喘息などの非骨格筋疾患に有用であると報告されている.

方 法

軽度または中等度喘息の小児に対して脊椎指圧療法の無作為対照臨床試験を実施した.3 週間のベースライン評価期間の後,通常の内科治療にもかかわらず喘息症状が持続している小児 91 人を無作為割付けして,能動的または模擬的指圧療法のいずれかを 4 ヵ月間実施した.これまでに指圧療法を受けたことのある患者はいなかった.各被験者は,地域によって家族が選択した 11 人の参加指圧師うちの 1 人から指圧療法を受けた.主要な転帰の規準は,2 ヵ月および 4 ヵ月目の朝に,気管支拡張剤の使用前に測定した最大呼気流量のベースラインからの変化であった.治療する指圧師と試験者(転帰の評価に関係しない)1 人を除き,参加者全員が試験期間中,治療割付をまったく知らなかった.

結 果

小児 80 人(能動的治療群の 38 人および模擬的治療群の 42 人)が,評価可能な転帰データを示した.治療群ではいずれも,朝および夕方の最大呼気流量にわずかな増加(7~12 L/分)を認めたが,ベースラインからの変化の程度は群による有意差を認めなかった(朝の最大呼気流量,2 ヵ月目で p=0.49,そして 4 ヵ月目で p=0.82).喘息症状とβアゴニストの使用回数は両群で減少し,QOL は両群で増加したが,群のあいだに有意差を認めなかった.肺活量測定値または気道反応性に有意差を認めなかった.

結 論

軽度または中等度喘息の小児では,脊椎指圧療法を通常の治療に加えても利益が得られなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1013 - 20. )