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November 19, 1998 Vol. 339 No. 21

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進行ホジキン病の予後スコア
A PROGNOSTIC SCORE FOR ADVANCED HODGKIN'S DISEASE

D. HASENCLEVER AND V. DIEHL

背景

進行ホジキン病患者の 2/3 は,現在の治療アプローチによって治癒する.過剰治療を防ぎ,標準治療が失敗する可能性のある患者を同定するため,個々の転帰を予測することが重要である.

方 法

進行ホジキン病に対して,放射線療法を伴う,または伴わない併用化学療法で治療した患者 5,141 人に関するデータを,25 の施設および研究グループから収集した.データには,転帰,および診断時の 19 の人口統計学的および臨床的特徴が含まれた.エンドポイントは疾患が進行しないことであった.完全なデータは 1,618 人から得られ,最終的な Cox モデルをこれらのデータに適合させた.別の患者 2,643 人のデータを部分的な妥当性検証に用いた.

結 果

予後スコアは,診断時に存在した有害な予後因子の数として定義した.次の 7 因子が,同程度の独立した予後予測能を有していた;血清アルブミン濃度 4 g/dL 未満,ヘモグロビン濃度 10.5 g/dL 未満,男性,年齢 45 歳以上,病期 IV(Ann Arbor 分類),白血球増多(白血球数が少なくとも 15,000 個/mm3),リンパ球減少(リンパ球数が 600 個/mm3 未満またはリンパ球数が白血球数の 8%未満,あるいはその両方).スコアから,以下のように無増悪割合が予測された:スコア 0,すなわち因子なし(患者の 7%)で 84%;スコア 1(患者の 22%)で 77%;スコア 2(患者の 29%)で 67%;スコア 3(患者の 23%)で 60%;スコア 4(患者の 12%)で 51%;スコア 5 以上(患者の 7%)で 42%.

結 論

われわれが開発した予後スコアは,進行ホジキン病治療の臨床試験のデザインや個々の治療決定に有用である可能性があるが,リスクが非常に高い明確な患者群は,ルーチンに記録される人口統計学的・臨床的特徴に基づいて同定することはできなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1506 - 14. )