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November 26, 1998 Vol. 339 No. 22

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非血縁ドナーからの胎盤血移植のレシピエント 562 人の転帰
OUTCOMES AMONG 562 RECIPIENTS OF PLACENTAL-BLOOD TRANSPLANTS FROM UNRELATED DONORS

P. RUBINSTEIN AND OTHERS

背景

移植のための臍帯血とも呼ばれる胎盤血の保存,適応,および分配のプログラムにより,1992 年 8 月 24 日から 1998 年 1 月 30 日までの期間に患者 562 人に移植片を提供した.以下その経験について述べる

方 法

胎盤血は液体窒素下で保存し,HLA タイプおよび白血球数に基づき個々の患者に合わせて選択した.各センターにおいて患者に胎盤血中の同種異系造血幹細胞を移植する準備を行い,ルーチン技法に従って,移植片対宿主疾患(GVHD)に対する予防を行った.

結 果

移植後 100 日での転帰は 562 人全員について判明し,1 年での転帰は適格レシピエントの 94%について判明した.保険統計分析によるレシピエントの累積生着率は,好中球については 42 日までに 81%(生着までの時間の中央値,28 日),そして血小板については 180 日までに 85%(中央値,90 日)であった.骨髄生着速度は,移植片に含まれる白血球数に主に関連するが,一方移植関連イベントは,患者の基礎疾患および年齢,移植片に含まれる白血球数,HLA 不一致の程度,そして移植センターに関連した.生着後では,年齢,HLA 不一致,そして移植センターが転帰の一次予測因子であった.重度の急性 GVHD(グレード III または IV)は,患者の 23%に起り,慢性 GVHD は 25%に起った.白血病のレシピエントにおける再発率は,最初の 100 日以内に 9%,6 ヵ月以内で 17%,そして 1 年までで 26%であった.これらの再発率は,GVHD の重症度,白血病のタイプ,そして疾患の病期に関連した.

結 論

胎盤血は,骨髄再構成における同種異系造血幹細胞の有用な原料である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1565 - 77. )