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December 31, 1998 Vol. 339 No. 27

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高度冠動脈狭窄および閉塞の非侵襲的検出のための電子線コンピュータ断層撮影の有用性
VALUE OF ELECTRON-BEAM COMPUTED TOMOGRAPHY FOR THE NONINVASIVE DETECTION OF HIGH-GRADE CORONARY-ARTERY STENOSIS AND OCCLUSIONS

S. ACHENBACH, W. MOSHAGE, D. ROPERS, J. NOSSEN, AND W.G. DANIEL

背景

冠動脈狭窄および閉塞に関して信頼できる非侵襲的評価があれば,冠動脈疾患であることがわかっている,または疑われる患者の治療に有利となる.われわれは,造影電子線コンピュータ断層撮影(CT)の高度冠動脈狭窄および閉塞の検出に対する精度を調べた.

方 法

電子線 CT を患者 125 例に行った.造影剤を静脈内注射した後,拡張期の心電図によって誘発された,吸気のさいの心臓における断面影像 40 点を得た.画像の評価を容易にするために心臓および冠動脈の三次元再構築を行った.主要な冠動脈の近位および中間部分の高度狭窄および閉鎖の有無を評価した.結果は盲検法により侵襲的冠動脈血管造影法による結果と比較した.

結 果

画質の不良という技術的な問題により,125 例で検討した冠動脈(左主幹部,左前下行枝,左回旋枝,右冠状動脈)500 枝中 124 枝(25%)を評価から除外した.19 例(15%)では血管を評価できず,別の 28 例(22%)では,評価できなかった血管が 1~3 枝あった.適切な画質が得られた残りの冠動脈では,電子線 CT により,高度狭窄および閉塞の 75 ヵ所中 69 ヵ所が可視化され(感度,92%),動脈 301 枝中 282 枝には高度狭窄および閉塞が存在しないことを正確に検出できた(特異度,94%).

結 論

画質が適切であれば,電子線 CT は高度冠動脈狭窄および閉塞の検出または除外に有用となる可能性がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 1964 - 71. )