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July 23, 1998 Vol. 339 No. 4

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ライム病予防のための組換え型 Borrelia burgdorferi 外表蛋白 A から成るワクチン
A VACCINE CONSISTING OF RECOMBINANT BORRELIA BURGDORFERI OUTER-SURFACE PROTEIN A TO PREVENT LYME DISEASE

L.H. SIGAL AND OTHERS

背景

ライム病は,マダニによって媒介されるスピロヘータである Borrelia burgdorferi に感染することで生じる多臓器炎症性疾患で,米国でもっとも頻度の高いベクター媒介性感染症である.われわれは,ライム病のリスクを有する被験者において,アジュバントを用いない,外表蛋白 A(OspA)から成る組換えワクチンの有効性を評価した.

方 法

二重盲検試験で,18 歳以上の被験者 10,305 人を,ライム病が風土病である米国の 14 地域で組み入れた;被験者を無作為割付けして,プラセボ(被験者 5,149 人)または OspA ワクチン 30 mg(5,156 人)のいずれかを接種した.最初の 2 回の注射は 1 ヵ月の間隔をあけて行い,7,515 人には 12 ヵ月目に追加投与した.ライム病伝播のリスクが高い 2 シーズンのあいだ被験者を観察した.主要評価項目は,臨床的,血清学的に新たに確認されたライム病症例数とした.

結 果

ワクチンの有効性は,全集団において試験の 1 年目では 68%,および 3 回の注射を行った被験者 3,745 人では 2 年目で 92%であった.ワクチンの忍容性は良好であった.ワクチン群では,軽度の,自然治癒する局所反応および全身反応の発現率が高かったが,出現したのは接種後 7 日間のみであった.ワクチン接種者では,関節炎または神経学的有害事象の発現率に有意な増加は認められなかった.

結 論

この試験において,OspA ワクチンはライム病の予防に安全かつ有効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 216 - 22. )