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August 6, 1998 Vol. 339 No. 6

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活動期クローン病に対するブデソニドとメサラミンの比較
A COMPARISON OF BUDESONIDE AND MESALAMINE FOR ACTIVE CROHN'S DISEASE

O.Ø. THOMSEN AND OTHERS

背景

クローン病はしばしば,グルココルチコイドまたはメサラミンで治療する.われわれは,回腸,上行結腸,またはその双方が罹患している活動期クローン病患者において,回腸限局放出型ブデソニドカプセルと徐放性メサラミン錠の有効性および安全性を比較した.

方 法

二重盲検多施設臨床試験において,われわれは,クローン病活動指数(スコアが高くなれば疾患の活動度がより大きいことを示す)のスコア 200~400 の患者 182人を登録し,無作為割付けして 93 人にブデソニド 9 mg を 1 日 1 回,そして 89 人にメサラミン 2 g を 1 日 2 回,16 週間投与した.主要有効性変数は,クローン病活動指数のスコア 150 未満として定義する臨床的寛解であった.

結 果

試験薬の少なくとも 1 用量を投与した患者全員の分析において,治療 8 週後の寛解率はブデソニド群で 69%,そしてメサラミン群で 45%であった(p=0.001);治療 16 週後のそれぞれの寛解率は,62%および 36%であった(p<0.001).ブデソニド群の患者 77 人が 16 週間の治療を完了したのに対し,メサラミン群では 50 人が治療を完了した(p<0.001).副作用を示した患者数は 2 群で同程度であったが,ブデソニド群の患者は重度の副作用がより少なかった.16 週間の治療を完了した患者の中で,朝のコルチゾル血漿濃度が正常であったのは,ブデソニド治療群の 67%,そしてメサラミン治療群の 83%であった(p=0.06);コシントロピンに反応してコルチゾルが正常に増加したのはそれぞれ,患者の 90%および 100%であった(p=0.02).

結 論

回腸,上行結腸,またはその双方が罹患している活動期クローン病患者では,ブデソニドの回腸限局放出製剤は,メサラミンの徐放製剤より寛解導入に有効であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 370 - 4. )