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August 13, 1998 Vol. 339 No. 7

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急性呼吸不全患者における非侵襲性陽圧換気と従来の機械換気の比較
A COMPARISON OF NONINVASIVE POSITIVE-PRESSURE VENTILATION AND CONVENTIONAL MECHANICAL VENTILATION IN ACUTE RESPIRATORY FAILURE

M. ANTONELLI AND OTHERS

背景

急性呼吸不全患者では,フェイスマスクを用いた非侵襲性陽圧換気の役割が明確ではない.

方 法

機械換気を必要とする低酸素血症性急性呼吸不全患者 64 人において,非侵襲性陽圧換気に関するプロスペクティブ無作為臨床試験を実施し,従来の機械換気に伴う気管内挿管と比較した.

結 果

人工呼吸開始 1 時間以内に,非侵襲性換気群の患者 32 人中 20 人(62%)および従来の換気群の患者 32 人中 15 人(47%)において,吸気酸素分画に対する動脈血酸素分圧の比(PaO2:FiO2)が改善した(p=0.21).非侵襲性換気群の患者 10 人は,その後気管内挿管を必要とした.従来の換気群の患者 17 人(53%)および非侵襲性換気群の患者 23 人(72%)が集中治療室に在室中生存していた(オッズ比,0.4;95%信頼区間,0.1~1.4;p=0.19).従来の換気群では患者 16 人,そして非侵襲性換気群では患者 22 人が退院した.従来の換気群では,重度の合併症(66% 対 38%,p=0.02),気管内挿管に関連した肺炎または副鼻腔炎(31% 対 3%,p=0.003)を発症した患者がより多かった.生存者の中では,非侵襲性換気群の患者は人工呼吸の期間がより短く(p=0.006),集中治療室在室期間がより短期であった(p=0.002).

結 論

急性呼吸不全患者では,非侵襲性換気は,ガス交換の改善において従来の換気と同程度に有効で,重篤な合併症がより少なく,集中治療室在室期間がより短期であった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 429 - 35. )