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September 10, 1998 Vol. 339 No. 11

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食欲抑制薬で治療した肥満患者における経胸壁心エコーで評価した心臓弁閉鎖不全症の有病率
THE PREVALENCE OF VALVULAR INSUFFICIENCY ASSESSED BY TRANSTHORACIC ECHOCARDIOGRAPHY IN OBESE PATIENTS

M.A. KHAN AND OTHERS

背景

食欲抑制薬の使用に関連した心臓弁の異常に関する症例報告が発表された後,われわれは,経胸壁心エコーを用いてこの疾患の有病率を調べる試験を行った.

方 法

デクスフェンフルラミンのみ,デクスフェンフルラミンとフェンテルミン,またはフェンフルラミンとフェンテルミンをさまざまな期間で服用した患者を調べた.1994 年 1 月~1997 年 8 月までのオープンラベル臨床試験のあいだにこれらの薬剤を服用したことがある,または服用していた肥満患者を登録した.われわれはまた,食欲抑制薬を服用しておらず,性別,身長,治療前の年齢と体格指数(BMI)に関して患者とマッチさせた被験者を募集した.米国食品医薬品局および米国疾病対策センターの基準によって少なくとも軽度の大動脈弁または中等度の僧帽弁閉鎖不全として定義される心臓弁異常の有無を,少なくとも 2 人の心臓病専門医が独立して決定した.多変量ロジスティック回帰分析を用いて,心臓弁異常に関連する要因を特定した.

結 果

心エコー像を入手しえたのは患者 257 人,対照被験者 239 人であった.いずれかの食欲抑制薬の使用と心臓弁異常との関連は,最終的にマッチした患者と対照 233 組において分析した.対照者の 1.3%(233 人中 3 人)と患者の 22.7%(233 人中 53 人)が,心臓弁異常の症例定義に合致した(オッズ比,22.6;95%信頼区間,7.1~114.2;p < 0.001).このような心臓弁異常のオッズ比は,デクスフェンフルラミンのみを服用した患者では 12.7(95%信頼区間,2.9~56.4),デクスフェンフルラミンとフェンテルミンを服用した患者では 24.5(5.9~102.2),フェンフルラミンとフェンテルミンを服用した患者では 26.3(7.9~87.1)であった.

結 論

フェンフルラミンとフェンテルミン,デクスフェンフルラミンのみ,またはデクスフェンフルラミンとフェンテルミンを服用した肥満患者は,背景を一致させた対照被験者群より,心臓弁閉鎖不全症の有病率が有意に高かった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 713 - 8. )