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September 10, 1998 Vol. 339 No. 11

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高齢女性における内因性ホルモンと大腿骨近位部骨折および椎体骨折のリスク
ENDOGENOUS HORMONES AND THE RISK OF HIP AND VERTEBRAL FRACTURES AMONG OLDER WOMEN

S.R. CUMMINGS AND OTHERS

背景

閉経後女性では,内因性性ホルモンおよびビタミン D の血清濃度は,大腿骨近位部骨折および椎体骨折のリスクに影響を及ぼす可能性がある.

方 法

65 歳以上の女性のコホートの研究において,われわれは,後に大腿骨近位部を骨折した女性 133 人,椎体を骨折した女性 138 人のベースライン時の血清ホルモン濃度を,同じコホートから無作為に選択した対照女性の濃度と比較した.エストロゲンを服用中の女性は除外した.結果は年齢と体重を補正した.

結 果

エストラジオール血清濃度が検出不能な女性(<5 pg/mL [18 pmol/L])は,エストラジオール血清濃度が検出可能な女性と比較すると,後に大腿骨近位部骨折が起こる相対リスクは 2.5(95%信頼区間,1.4~4.6),椎体骨折が起こる相対リスクも 2.5(95%信頼区間,1.4~4.2)であった.性ホルモン結合グロブリンの血清濃度が 1.0 μg/dL(34.7 nmol/L)以上であれば,大腿骨近位部骨折の相対リスクは 2.0(95%信頼区間,1.1~3.9),椎体骨折の相対リスクは 2.3(95%信頼区間,1.2~4.4)であった.エストラジオール血清濃度が検出不可能で,性ホルモン結合グロブリン血清濃度が 1 μg/dL 以上の女性は,大腿骨近位部骨折の相対リスクは 6.9(95%信頼区間,1.5~32.0),椎体骨折の相対リスクは 7.9(95%信頼区間,2.2~28.0)であった.1,25-ジヒドロキシビタミン D の血清濃度が低い(≦ 23 pg/mL [55 pmol/L])女性では,大腿骨近位部骨折のリスクは 2.1 倍(95%信頼区間,1.2~3.5)に増加した.

結 論

エストラジオールの血清濃度が検出不能で,性ホルモン結合グロブリンの血清濃度が高い閉経後女性は,大腿骨近位部骨折および椎体骨折のリスクが増加している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1998; 339 : 733 - 8. )