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April 15, 1999 Vol. 340 No. 15

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高リスク子宮頸癌における化学療法との同時併用の骨盤照射と骨盤および傍大動脈照射の比較
Pelvic Radiation with Concurrent Chemotherapy Compared with Pelvic and Para-Aortic Radiation for High-Risk Cervical Cancer

M. MORRIS AND OTHERS

方 法

進行子宮頸癌の女性を対象として,骨盤と傍大動脈領域への放射線療法の効果を,骨盤照射とフルオロウラシルおよびシスプラチンの化学療法の同時併用の効果と比較した.1990~97 年のあいだに,骨盤内に限局した進行子宮頸癌(ステージ IIB から IVA,または腫瘍の直径が 5 cm 以上あるいは骨盤のリンパ節に転移のあるステージ IB または IIA)の 403 例の女性を,骨盤および傍大動脈リンパ節への45 Gy の照射,または骨盤のみへの 45 Gy の照射と 2 サイクルのフルオロウラシルとシスプラチンの投与(投与は照射の 1~5 日目までと 22~26 日目まで)のいずれかに無作為に割り付けた.その後,低線量率腔内照射を 1 回または 2 回実施し,併用療法群の患者には 2 回目の腔内照射時に予定されていた 3 サイクル目の化学療法を行った.

結 果

403 例の適格患者のうち,各群とも 193 例が評価可能であった.追跡調査期間の中央値は 43 ヵ月であった.5 年目までの推定累積生存率は,放射線療法と化学療法の併用治療を受けた患者では 73%,放射線療法の単独治療を受けた患者では 58%であった(p = 0.004).5 年目の時点における累積無病生存率は,併用療法群の患者では 67%,放射線群の患者では 40%であった(p<0.001).遠隔転移率(p<0.001)と局所再発率(p<0.001)は,どちらも放射線療法の単独治療を受けた患者で有意に高かった.副作用については,可逆性の血液障害の発現率が併用療法群で高かったものの,その重篤さは 2 群間で同程度であった.

結 論

局所進行子宮頸癌の女性では,体外照射および腔内照射の治療にフルオロウラシルとシスプラチンによる化学療法を追加することによって,その生存が有意に向上した.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 1137 - 43. )