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January 21, 1999 Vol. 340 No. 3

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女性における食物繊維と大腸癌および大腸腺腫のリスク
DIETARY FIBER AND THE RISK OF COLORECTAL CANCER AND ADENOMA IN WOMEN

C.S. FUCHS AND OTHERS

背景

食物繊維の高摂取が,大腸癌と大腸腺腫のリスクを低下させると考えられてきた.

方 法

34~59 歳の女性で,癌,炎症性腸疾患,あるいは家族性ポリープ症の病歴がなく,1980 年に実施した食事に関する質問票にすべて回答した 88,757 例を対象として前向き研究を実施した.16 年間の追跡調査期間のあいだに,787 例の大腸癌が証明された.さらに,追跡調査期間に内視鏡検査を受けた 27,530 例の参加者において,遠位の結腸と直腸に腺腫が発生している患者が 1,012 例発見された.

結 果

年齢,規定の危険因子,およびエネルギーの総摂取量で補正すると,食物繊維の摂取量と大腸癌のリスクとのあいだに関連性がないことがわかった;食物繊維の摂取量に関して,その摂取量の 5 分位点の最低群に対する最高群の相対リスクは 0.95 であった(95%信頼区間,0.73~1.25).エネルギーの総摂取量での補正を除いた場合,追跡調査の最初の 6 年間に発現したイベントを除いた場合,あるいは追跡調査期間中に食物繊維摂取量が変更された女性を除いた場合でも,食物繊維の予防効果は認められなかった.食物繊維の摂取量と大腸腺腫のリスクとのあいだにも有意な関連性は認められなかった.

結 論

今回のわれわれのデータは,食物繊維に大腸癌や大腸腺腫の大きな予防効果があるということを支持するものではない.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 169 - 76. )