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March 11, 1999 Vol. 340 No. 10

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米国における肝細胞癌の罹患率の上昇
Rising Incidence of Hepatocellular Carcinoma

H.B. EL-SERAG AND A.C. MASON

背景

臨床観察から,米国において肝細胞癌の患者数が増加していることが示唆されている.

方 法

そこで,われわれは,以下の解析をした; 1976~95 年までの年齢で補正した肝細胞癌の罹患率を求めるために「調査,疫学,および最終結果」(SEER : the Surveillance, Epidemiology, and End Results)のデータベースのデータを解析し,1981~95 年までの年齢で補正した死亡率を求めるために「米国人口動態統計」(the U.S. vital-statistics)のデータベースのデータを解析し,そして 1983~97 年までの年齢で補正した肝細胞癌による入院率を求めるために「在郷軍人局」(the Department of Veterans Affairs)のデータを解析した.

結 果

組織学的に確証が得られた肝細胞癌の罹患率は,1976~80 年の期間には人口 100,000 人当り 1.4(95%信頼区間,1.3~1.4)であったのが,1991~95 年の期間には 100,000 人当り 2.4(95%信頼区間,2.3~2.4)に上昇した.また,1991~95 年の期間の罹患率は,黒人男性では 100,000 人当り 6.1,白人男性では100,000 人当り 2.8 であった.今回検討した期間において,原発性肝癌による死亡率は 41%上昇し,この疾患に起因した入院の割合は 46%上昇していた.さらに,1991~95 年の期間の罹患率は,これ以前の期間と比較して若い人(40~60 歳)において有意に上昇していた.

結 論

米国では,過去 20 年間にわたって肝細胞癌の患者数が増加している.年齢で補正した肝細胞癌の発症は,より若い人へと漸次,移行している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 745 - 50. )