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March 25, 1999 Vol. 340 No. 12

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アルコールに関連した再発性発作の予防におけるロラゼパム
Lorazepam for the Prevention of Recurrent Seizures Related to Alcohol

G. D'ONOFRIO, N.K. RATHLEV, A.S. ULRICH, S.S. FISH, AND E.S. FREEDLAND

背景

アルコール乱用は,成人の発作のもっとも一般的な原因の一つである.

方 法

そこでわれわれは,無作為二重盲検試験を行い,アルコールに関連した再発性発作の予防における,ロラゼパムとプラセボとを比較した.21 ヵ月の期間に,全般発作を目撃され,ボストンの二つの病院の救急部に搬送された 21 歳以上の慢性アルコール乱用の患者すべてを対象に試験を行った.2 mL の生理食塩水に溶解した 2 mg のロラゼパムまたは 4 mL の生理食塩水のいずれかの静脈内投与に,これらの患者を無作為に割り付け,投与後 6 時間観察した.主要エンドポイントは,観察期間における 2 回目の発作の出現であった.

結 果

試験前の評価が行われた 229 例のうち,186 例が組入れ基準に合致した.2 回目の発作は,ロラゼパム群では 100 例中 3 例(3%)に出現したのに対し,プラセボ群では 86 例中 21 例(24%)に出現した(プラセボ投与の発作のオッズ比,10.4;95%信頼区間,3.6~30.2;p<0.001).プラセボ群の患者の 42%が入院したのに対し,ロラゼパム群では 29%が入院した(入院のオッズ比,2.1;95%信頼区間,1.1~4.0;p=0.02).プラセボ群の 7 例とロラゼパム群の 1 例は,退院後 48 時間以内に 2 回目の発作が出現し,ボストンの救急部に搬送された.

結 論

ロラゼパムの静脈内投与による治療は,アルコールに関連した再発性発作のリスクの有意な低下に関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 340 : 915 - 9. )