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September 30, 1999 Vol. 341 No. 14

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副腎機能障害の女性におけるデヒドロエピアンドロステロンの補充
Dehydroepiandrosterone Replacement in Women with Adrenal Insufficiency

W. ARLT AND OTHERS

背景

ヒトにおけるデヒドロエピアンドロステロンの生理学的役割はいまだ解明されていない.しかしながら,副腎機能障害によってデヒドロエピアンドロステロンの欠損症に到ることがある; そこで,われわれは,副腎機能障害の患者におけるデヒドロエピアンドロステロンの補充効果について検討した.

方 法

今回の二重盲検試験では,24 例の副腎機能障害の女性に,無作為スケジュールに従って,4 ヵ月間のデヒドロエピアンドロステロン 50 mg 朝 1 回の経口投与とプラセボの連日投与を,1 ヵ月間のウオッシュアウト期間を設けて行った.血清中のステロイドホルモン,インスリン様増殖因子Ⅰ,脂質,および性ホルモン結合グロブリンの濃度を測定するとともに,心身の幸福感および性的活動を,それぞれ,妥当性が確認されている心理学的質問票および視覚アナログスケールの心理テストを用いて評価した.女性に対するこれらの評価は,治療前,デヒドロエピアンドロステロン治療の 1 ヵ月後および 4 ヵ月後,プラセボ投与の 1 ヵ月後および 4 ヵ月後,また第二期の治療期間終了後 1 ヵ月の時点で行った.

結 果

デヒドロエピアンドロステロンの治療によって,治療開始時に低値を示していたデヒドロエピアンドロステロン,デヒドロエピアンドロステロン硫酸塩,アンドロステンジオン,およびテストステロンの血清中濃度は正常範囲にまで上昇した;性ホルモン結合グロブリン,総コレステロール,および高比重リポ蛋白コレステロールの血清中濃度は有意に低下した.また,デヒドロエピアンドロステロンは,抑うつと不安のスコアだけでなく,総合的な心身の幸福感をも有意に改善させた.全般的重症度指数は,試験開始時からの平均(±SD)変化で,デヒドロエピアンドロステロン療法の 4 ヵ月後は -0.18±0.29 であったのに対して,プラセボ投与の 4 ヵ月後は 0.03±0.29 であった(p=0.02).デヒドロエピアンドロステロンは,プラセボと比較して,性的想像の頻度(p = 0.006)および性に対する関心度(p=0.002),性行為による精神および身体の両面における満足度(それぞれ,p=0.009 および p=0.02)を有意に改善させた.

結 論

副腎機能不全の女性において,デヒドロエピアンドロステロンは,心身の幸福感および性的活動を改善させる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 1013 - 20. )