October 14, 1999 Vol. 341 No. 16
強化化学療法,放射線療法,自家骨髄移植,および 13-cis-レチノイン酸による高リスク神経芽細胞腫の治療
Treatment of High-Risk Neuroblastoma with Chemotherapy, Radiotherapy, Autologous BMT, and 13-cis-Retinoic Acid
K.K. MATTHAY AND OTHERS
高リスク神経芽細胞腫の小児は予後が不良である.そこで,本試験では,骨髄機能を廃絶する療法に自家骨髄移植を併用する治療が化学療法の単独治療よりも無イベント生存を改善させるか否かということ,およびその後に行う 13-cis-レチノイン酸(イソトレチノイン)による治療が無イベント生存をさらに改善させるか否かということを評価した.
同じレジメンの化学療法ですべての患者に初期治療し,この化学療法で癌の進行が認められなかった患者を,骨髄機能廃絶大量化学療法の継続,全身放射線照射,および神経芽細胞腫の細胞を完全に排除した自家骨髄移植の併用治療,または 3 サイクルの強化化学療法の単独治療に無作為に割り付けた.その後,この細胞障害性療法を癌の進行が認められずに完了したすべての患者を,追加治療なし,または 6 ヵ月間の 13-cis-レチノイン酸治療に無作為に割り付けた.
最初の無作為化から 3 年目までの平均(±SD)無イベント生存率は,移植に割り付けられた 189 例の患者が,化学療法の継続に割り付けられた 190 例の患者よりも有意に優れていた(34±4% 対 22±4%,p=0.034).2 回目の無作為化から 3 年目までの無イベント生存率は,13-cis-レチノイン酸に割り付けられた 130 例の患者が,無治療に割り付けられた 128 例の患者よりも有意に優れていた(46±6% 対 29±5%,p=0.027).
骨髄機能廃絶療法と自家骨髄移植の併用治療は,高リスク神経芽細胞腫の小児において,無イベント生存を改善させた.さらに,13-cis-レチノイン酸による治療は,化学療法後あるいは移植後に行った場合には,癌の進行が抑えられていた患者に有益であった.