The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

Share

RSS

日本語アブストラクト

July 22, 1999 Vol. 341 No. 4

2 型糖尿病におけるインスリンで刺激される 筋肉でのグリコーゲン合成の低下の原因としての糖の輸送障害
Impaired Glucose Transport as a Cause of Decreased Insulin-Stimulated Muscle Glycogen Synthesis in Type 2 Diabetes

G.W. CLINE AND OTHERS

背景

インスリン抵抗性は,2 型糖尿病の病因の主因子の一つであるが,この抵抗性は,ほとんどの場合,インスリンによって刺激される筋肉でのグリコーゲン合成が低下していることによるものである.筋肉でのグリコーゲンの合成にはヘキソキナーゼ活性と糖輸送が関連しているが,この低下の原因となっている主要な律速段階は解明されていない.

方 法

2 型糖尿病の患者 6 例と健常被験者 7 例において,高血糖状態(血漿グルコース濃度,約 180 mg / dL [ 10 mmol / L ])および高インスリン血症状態における筋肉内のグルコース,グルコース- 6 -リン酸,およびグリコーゲンの濃度を測定するために,今回,われわれは,放射線同位元素 13C と 31P を用いた核磁気共鳴(NMR)の新しい測定法を利用した.血漿グルコースと間質液グルコースの濃度勾配の測定には in vivo での筋肉組織の微小透析法を用い,間質液中のインスリン濃度の測定にはオープンフローの微小灌流法を使用した.

結 果

間質液中のインスリンの時間的変化 - 濃度は,糖尿病患者と健常被験者でよく似ていた.全身のグルコース代謝および筋肉でのグルコース合成の速度と,グルコース- 6 -リン酸の筋肉内濃度は,血漿インスリン濃度をマッチさせた条件で,健常被験者よりも糖尿患者で約 80%低下していた.細胞内の平均(± SD)グルコース濃度は,健常被験者では 2.0 ± 8.2 mg / dL(0.11 ± 0.46 mmol / L)であった.糖尿病患者では,この細胞内のグルコース濃度は 4.3 ± 4.9 mg / dL(0.24 ± 0.27 mmol / L)であり,これは,ヘキソキナーゼがグルコース代謝の律速酵素であるとした場合,それが 1 / 25 になっていることに相当する値であった.

結 論

2 型糖尿病の患者では,インスリンが刺激している糖輸送の障害が,インスリンに刺激されている筋肉でのグルコール合成の合成速度を低下させる原因になっている.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 240 - 6. )