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August 12, 1999 Vol. 341 No. 7

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新生児発作の治療におけるフェノバルビタールとフェニトインとの比較
Phenobarbital Compared with Phenytoin for the Treatment of Neonatal Seizures

M.J. PAINTER AND OTHERS

背景

新生児の発作は,集中治療室で管理されている新生児の 1~2%に起る.これに対しては,通常は,フェノバルビタールまたはフェニトインのどちらかの治療が行われるが,この 2 剤の有効性の直接比較は行われていない.

方 法

1990~95 年までの期間に,脳波計で発作が確認された新生児 59 例を対象として試験を行った.これらの新生児を,フェノバルビタールまたはフェニトインのいずれかの静脈内投与に無作為に割り付けた.投与量については,血漿遊離薬物濃度が,フェノバルビタールは 25 μg/mL,フェニトインは 3 μg/mL に達するのに十分な用量とした.割り付け薬剤によって発作を管理できなかった新生児に対しては,さらに,これら 2 剤の併用治療を行った.発作の管理については,脳波による判定基準によって評価した.

結 果

発作は,フェノバルビタールの投与に割り付けられた新生児 30 例中の 13例(43%)と,フェニトインの投与に割り付けられた新生児 29 例中の 13 例(45%)で管理することができた(p = 1.00).併用治療による管理も含めると,最終的に発作を管理することができた新生児は,最初にフェノバルビタールの投与に割り付けられた新生児では 17 例(57%),最初にフェニトインの投与に割り付けられた新生児では 18 例(62%)であった(p = 0.67).治療の成否の予測因子としては,発作の重症度が割付薬剤よりも強力な予測因子であった.すなわち,発作は,どちらの治療に割り付けられたということには関係なく,発作の重症度が軽症の新生児あるいは治療前の重症度が改善されてきていた新生児において管理しやすかった.

結 論

新生児に対する抗痙攣薬としてのフェノバルビタールとフェニトインは,それらの効果は等しいものの,どちらの効果も十分なものではない.すなわち,これらの薬剤の単剤投与による発作の管理は,新生児の半数足らずでしか成功しなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 1999; 341 : 485 - 9. )