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January 27, 2000 Vol. 342 No. 4

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小児における入院,外来通院,および抗生剤投与コースに対するインフルエンザの影響
The Effect of Influenza on Hospitalizations, Outpatient Visits, and Courses of Antibiotics in Children

K.M. NEUZIL, B.G. MELLEN, P.F. WRIGHT, E.F. MITCHEL, JR., AND M.R. GRIFFIN

背景

小児では,インフルエンザの年間罹患率が高いにもかかわらず,インフルエンザワクチンの接種はまれである.そこで,われわれは,テネシー州のメディケイド(65 歳未満の低所得者・身障者を対象とした医療保障制度)プログラムに参加した 15 歳未満の健常小児の大規模コホートにおいて,インフルエンザの疾病負荷についての評価を行った.

方 法

急性心肺系疾患による入院率,外来通院,および抗生剤投与コースについて,19 年間にわたる継続的な調査を行った.インフルエンザウイルスが流行していた年のこれらのイベントの発生率と,インフルエンザの市中流行がみられなかった年の11 月~4 月までの発生率の差から,インフルエンザによる罹患率を算出した.合計で,2,035,143 人-年の観察を行った.

結 果

インフルエンザウイルスが流行していた時期における心肺系疾患による平均超過入院件数,すなわち期待入院件数を超過した入院件数の平均値は,生後 6 ヵ月未満の小児では年間 1 万人当り 104 件,生後 6~12 ヵ月未満の小児では年間 1 万人当り 50 件,1~3 歳未満の小児では年間 1 万人当り 19 件,3~5 歳未満の小児では年間 1 万人当り 9 件,5~15 歳未満の小児では年間 1 万人当り 4 件であった.小児 100 人当りの年平均で,外来通院の 6~15 回と抗生剤投与コースの 3~9 コースはインフルエンザによるものであった.冬期における抗生剤の超過投与コース数については,その 10~30%は,インフルエンザウイルスが流行していた時期に行われたものであった.

結 論

1 歳未満の健常小児がインフルエンザによる疾病のために入院する割合は,インフルエンザのリスクが高くなっている成人の入院率と同程度である.この入院率は年齢とともに顕著に減少する.あらゆる年齢層の小児における外来通院の回数および抗生剤投与コース数のかなりの部分は,インフルエンザによって説明できる.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 225 - 31. )