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March 30, 2000 Vol. 342 No. 13

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心房細動の再発を予防するアミオダロン
Amiodarone to Prevent Recurrence of Atrial Fibrillation

D. ROY AND OTHERS

背景

心房細動の患者においては,再発を予防することによって心機能が改善して症状も軽減することから,洞リズムの回復および維持ということは望むべき目標である.非対照試験では,アミオダロンは低用量で他剤よりも再発予防における有効性および安全性が優れているかもしれないと示唆されているものの,大規模無作為試験による検証はいまだ行われていない.

方 法

心房細動の再発予防において,アミオダロンの低用量が,ソタロールやプロパフェノンによる治療よりも有効であろうという仮説の検証を目的としたプロスペクティブ多施設共同試験を実施した.過去 6 ヵ月以内に少なくとも 1 回の心房細動のエピソードが確認されていた患者を,アミオダロン,あるいはソタロールまたはプロパフェノンに無作為に割り付け,それぞれの薬剤を非盲検法にて投与した.ソタロールまたはプロパフェノン群に割り付けられた患者については,ソタロールとプロパフェノンのどちらの薬剤を先に投与するのかを決めるために,さらに無作為化を行った;すなわち,第一投与の薬剤が無効であった場合には,第二投与の薬剤が処方された.両群のすべての患者は,割り付けられた各薬剤が投与され,無作為化後 21 日目までは電気的除細動(必要な場合)も実施された.したがって,追跡調査期間の開始は無作為化後 21 日目であった.主要エンドポイントは,心房細動の初回再発までの期間とした.

結 果

本試験に組み入れられた 403 例の患者のうち,201 例がアミオダロンに,202 例がソタロール(101 例)またはプロパフェノン(101 例)に割り付けられた.心房細動の再発は,平均 16 ヵ月の追跡調査後の時点で,アミオダロンに割り付けられた患者の 71 例(35%)と,ソタロールまたはプロパフェノンに割り付けられた 127 例(63%)に認められた(p<0.001).薬物療法を中止しなければならないような有害事象は,アミオダロンの投与を受けた患者では 18%に発現したのに対して,ソタロールまたはプロパフェノンの治療を受けた患者では 11%に発現していた(p = 0.06).

結 論

アミオダロンは,心房細動の再発予防においては,ソタロールやプロパフェノンよりも有効である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 342 : 913 - 20. )