November 2, 2000 Vol. 343 No. 18
オピオイド依存症に対する酢酸レボメタディル,ブプレノルフィン,およびメタドンの比較
A Comparison of Levomethadyl Acetate, Buprenorphine, and Methadone for Opioid Dependence
R.E. JOHNSON AND OTHERS
オピオイド依存症は,公衆衛生上の重要な意味をもつ慢性の再発性障害である.
220 例の患者を組み入れた 17 週間の無作為試験において,オピオイド依存症の治療として,酢酸レボメタディル(Levomethadyl Acetate)(75~115 mg),ブプレノルフィン(16~32 mg),およびメタドンの高用量(60~100 mg)と低用量(20 mg)の比較を行った.酢酸レボメタディルとブプレノルフィンは 1 週間に 3 回投与し,メタドンの投与は連日投与した.投与量は,メタドンの低用量群に割り付けられた患者を除いて,患者ごとに個別に設定した.割り付けられた治療に対して反応が悪かった患者はメタドンの治療に変更した.
各群に割り付けられた患者は 55 例であった;これらの患者の 51%が本試験を完了した.患者が試験に留まっていた平均(±SE)日数は,酢酸レボメタディル(89±6 日),ブプレノルフィン(96±4 日),あるいはメタドンの高用量(105±4 日)の治療を受けた患者の方が,メタドンの低用量(70±4 日)の治療を受けた患者よりも有意に長かった(p<0.001).試験を継続した患者は,メタドンの高用量の治療の方が,酢酸レボメタディルの治療よりも有意に多かった(p =0.02).12 個以上連続して採取した尿検体でオピオイドが陰性であった患者の割合は,酢酸レボメタディル群が 36%,ブプレノルフィン群が 26%,メタドンの高用量群が 28%,メタドンの低用量群が 8%であった(p=0.005).患者の薬物問題を 0~100 の尺度で表した最終自己申告時の平均重症度は,酢酸レボメタディル群が 35,ブプレノルフィン群が 34,メタドンの高用量群が 38,メタドンの低用量群が 53 であった(p=0.002).
酢酸レボメタディル,ブプレノルフィン,およびメタドンの高用量は,メタドンの低用量と比較して,オピオイドの不正使用を大幅に減少させることができる.