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November 30, 2000 Vol. 343 No. 22

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早期慢性関節リウマチの患者におけるエタネルセプトとメトトレキサートとの比較
A Comparison of Etanercept and Methotrexate in Patients with Early Rheumatoid Arthritis

J.M. BATHON AND OTHERS

背景

腫瘍壊死因子(TNF)の作用を遮断するエタネルセプト(etanercept)は,長期にわたる慢性関節リウマチ(RA)の患者において,疾患の活動性を低下させる.しかしながら,活動性早期慢性関節リウマチの患者における,その活動性の低下および関節障害の予防に対する有効性は不明である.

方 法

早期の慢性関節リウマチの患者 632 例に,エタネルセプト(10 mg または 25 mg)の 1 週間に 2 回の皮下投与,またはメトトレキサート(1 週間の平均投与量,19 mg)の 1 週間に 1 回の経口投与のいずれかの治療を 12 ヵ月間行った.臨床効果は,米国リウマチ学会(ACR)の基準に従って評価した慢性関節リウマチの活動性のパーセント改善度と定義した.骨びらんと関節腔の狭小化は,X 線写真で測定し,Sharp 尺度を用いてスコア化した.この尺度における 1 ポイントの増加は,1 個の新たな骨びらんまたは最小限度の狭小化を表している.

結 果

エタネルセプト 25 mg の投与を受けた患者は,メトトレキサートの治療を受けた患者と比較して,改善の速度が速く,治療開始後 6 ヵ月間においてリウマチの活動性が 20%,50%,および 70%改善した患者が有意に多かった(p<0.05).骨びらんスコアの平均増加は,治療開始後の 6 ヵ月間では,エタネルセプト 25 mg の投与に割り付けられた群で 0.30,メトトレキサート群で 0.68 であった(p=0.001).治療開始後の 12 ヵ月間では,それぞれ 0.47 および 1.03 であった(p = 0.002).エタネルセプト 25 mg の投与を受けた患者では,骨びらんスコアが増加しなかった患者の割合が 72%であったのに対し,メトトレキサート群の患者では 60%であった(p=0.007).また,エタネルセプト 25 mg の投与を受けた患者では,メトトレキサートの治療を受けた患者よりも有害事象が少なく(p=0.02),感染症も少なかった(p=0.006).

結 論

活動性慢性関節リウマチの早期の患者において,エタネルセプトの皮下投与は,メトトレキサートの経口投与と比較して,症状をより速やかに軽減し,関節障害の進行を遅らせた.

訂正のお知らせ
本論文は 2001 年 1 月 4 日に Correction が発表されました.
詳細および最新情報は以下のリンク先にある Related Articles にてご確認ください.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1586 - 93. )