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December 7, 2000 Vol. 343 No. 23

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慢性 C 型肝炎と肝硬変の合併患者におけるペグインターフェロンα-2a
Peginterferon Alfa-2a in Patients with Chronic Hepatitis C and Cirrhosis

E.J. HEATHCOTE AND OTHERS

背景

肝硬変患者における C 型肝炎ウイルス(HCV)の慢性感染は,治療が困難である.肝硬変を合併していない C 型慢性肝炎患者には,40 kd の分枝ポリエチレングリコールの機能基を付加することによって修飾されたインターフェロン(ペグインターフェロンα-2a)の週 1 回の投与が,非修飾インターフェロンのレジメンよりも有効である.そこで,われわれは,HCV に関連した肝硬変または架橋性線維化を有する患者において,ペグインターフェロンα-2a の有効性と安全性を検討した.

方 法

肝硬変または架橋性線維化を有する患者 271 例を,インターフェロンα-2a 300 万単位を週 3 回皮下投与する群(88 例),ペグインターフェロンα-2a 90 μg を週 1 回皮下投与する群(96 例),ペグインターフェロンα-2a 180 μg を週 1 回皮下投与する群(87 例)に無作為に割り付けた.治療期間は 48 週間とし,その後 24 週間の追跡調査期間を設けた.有効性の評価は,HCV の RNA 量とアラニンアミノトランスフェラーゼの測定,肝生検検体の評価によって行った.組織学的効果は,22 点満点の組織学的活動度指数(22-point Histological Activity Index)が 2 ポイント以上低下することと定義した.

結 果

intention-to-treat 解析では,72 週の時点で HCV RNA 量が検出限界以下であった患者の割合は,インターフェロンα-2a 群,ペグインターフェロンα-2a 90 μg 群,ペグインターフェロンα-2a 180 μg 群 でそれぞれ 8%,15%,30%であった(ペグインターフェロンα-2a 180 μg とインターフェロンα-2a との比較で,p=0.001).72 週の時点でアラニンアミノトランスフェラーゼ値が正常化していた患者の割合は,それぞれ 15%,20%,34%であった(ペグインターフェロンα-2a 180 μg とインターフェロンα-2a との比較で,p=0.004).治療前と 72 週の両時点で肝生検検体が採取された 184 例のサブグループ‭において,72 週の時点で組織学的効果が認められた割合は,それぞれ 31%,44%,54%であった(ペグインターフェロンα-2a 180 μg とインターフェロンα-2a との比較で,p=0.02).忍容性は,三つのすべての治療で同程度であった.

結 論

C 型慢性肝炎に肝硬変または架橋性線維化を合併している患者には,ペグインターフェロンα-2a 180 μg の週 1 回投与が,標準的なインターフェロンα-2a 300 万単位の週 3 回投与よりも有意に効果がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 1673 - 80. )