The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

September 21, 2000 Vol. 343 No. 12

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

運動誘発性の心室期外脱分極のある無症状の男性の長期転帰
Long-Term Outcome in Asymptomatic Men with Exercise-Induced Premature Ventricular Depolarizations

X. JOUVEN, M. ZUREIK, M. DESNOS, D. COURBON, AND P. DUCIMETIERE

背景

運動負荷試験は冠動脈疾患の診断に広く使用されているが,運動誘発性の心室期外脱分極を有する無症状の人々の長期転帰は明らかになっていない.われわれは,パリ前向き研究 I(Paris Prospective Study I)のデータを用いて,このような人々の長期転帰について評価した.

方 法

1967~72 年に,臨床的に検出可能な心血管疾患のない,無症状のフランス人男性 6,101 例(42~53 歳)に,標準化された段階的運動負荷試験が行われた.その結果に基づいて,これらの被験者を頻発性心室期外脱分極の有無で前向きに分類した(頻発性の定義は,心電図の 30 秒間の記録中に 2 回以上連続する心室期外脱分極が存在している場合,または心室期外脱分極がすべての心室脱分極の 10%を超える場合とした).

結 果

運動中に頻発性心室期外脱分極が出現した被験者は 138 例であった.23 年間の追跡後,これらの被験者は,運動中に頻発性心室期外脱分極が出現しなかった男性に比べて,心血管系の原因によって死亡するリスクが高かった(相対リスク,2.67;95%信頼区間,1.76~4.07).多変量モデルでは,標準的な冠動脈疾患の危険因子,運動前の心室期外脱分極の有無,運動後の回復時の心室期外脱分極の有無で補正後も,運動誘発性虚血の出現と,運動中の頻発性心室期外脱分極の出現は,いずれも心血管系の原因による死亡リスクの上昇と独立に関連し,相対リスクも同程度であった(虚血:2.63 [95%信頼区間,1.93~3.59],頻発性心室期外脱分極:2.53 [95%信頼区間,1.65~3.88]).

結 論

無症状の中年男性における運動中の頻発性心室期外脱分極の出現は,心血管系の原因による死亡リスクの長期にわたる上昇と関連している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2000; 343 : 826 - 33. )