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April 12, 2001 Vol. 344 No. 15

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抗痙攣薬の催奇形性
The Teratogenicity of Anticonvulsant Drugs

L.B. HOLMES AND OTHERS

背景

重度の奇形,成長遅延,および顔面中央部と指の形成不全は,抗痙攣薬の胚障害として知られており,その発生頻度は子宮内で抗痙攣薬に曝露した胎児で高くなっている.しかしながら,このような異常が,母親のてんかん自体が原因であるのか,あるいは抗痙攣薬への曝露が原因であるのかはわかっていない.

方 法

128,049 例の妊娠女性に対して分娩時にスクリーニングを行い,その新生児を以下の三つの群に識別した:抗痙攣薬に曝露した新生児,抗痙攣薬には曝露しなかったが母親にてんかん発作の病歴がある新生児,抗痙攣薬にも曝露せず母親にもてんかん発作の病歴がない新生児(対照群).新生児は,重度の奇形,顔面中央部および指の形成不全の徴候,小頭症の有無,および身体の大きさが小さいかどうかを体系的に検査した.

結 果

抗痙攣薬による各種胚異常の全体の発生頻度は,1 種類の抗痙攣薬に曝露した 223 例の新生児のほうが,508 例の対照新生児よりも高かった(20.6% 対 8.5%;オッズ比,2.8;95%信頼区間,1.1~9.7).また,2 種類以上の抗痙攣薬に曝露した 93 例の新生児でも,この発生頻度は対照新生児より高かった(28.0% 対 8.5%;オッズ比,4.2;95%信頼区間,1.1~5.1).これに対して,母親にてんかんの病歴があったものの妊娠中には抗痙攣薬が服薬されなかった 98 例の新生児では,これらの異常の発生頻度が対照群よりも高いということはなかった.

結 論

母親がてんかんの病歴をもった新生児に特徴的に認められる身体的異常のパターンには,てんかんそれ自体よりも,むしろ妊娠中の抗痙攣薬の服薬との関連がある.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 344 : 1132 - 8. )