February 15, 2001 Vol. 344 No. 7
新生児の評価法としてのアプガースコアの持続する価値
The Continuing Value of the Apgar Score for the Assessment of Newborn Infants
B.M. CASEY, D.D. MCINTIRE, AND K.J. LEVENO
合計 10 点で採点するアプガースコアは,産まれたばかりの新生児の身体状態および予後を評価するために,世界中で 50 年近くにわたって使用されている.しかしながら,新生児の評価法としては,臍動脈血の pH 測定のほうがより客観的な方法ではないかと提案する研究者もいる.
1988 年 1 月~12 月までの期間に,都市の中心部に所在している公立病院の一つで,妊娠 26 週目以降に奇形のない単生児として産まれた 151,891 例の新生児の後ろ向きコホート解析を実施した.これらの新生児のうち 145,627 例において,アプガースコアと臍動脈血の pH 値を対で検査し,どちらの検査が生後 28 日目までの新生児期死亡の予測に優れているのかを評価した.
満期以前(妊娠 26~36 週目)に産まれた 13,399 例の新生児に関しては,新生児期の死亡率は,5 分アプガースコアが 0~3 の新生児では 1,000 人当り 315 人であったのに対して,5 分アプガースコアが 7~10 であった新生児では 1,000 人当り 5 人であった.満期産(妊娠 37 週目以降)で産まれた新生児 132,228 例の新生児期の死亡率は,5 分アプガースコアが 0~3 であった新生児では 1,000 人当り 244 人であったのに対して,5 分アプガースコアが 7~10 であった新生児では 1,000 人当り 0.2 人であった.5 分アプガースコアが 0~3 であった満期産の新生児の新生児期死亡のリスク(相対危険度,1,460;95%信頼区間,835~2,555)は,臍動脈血の pH 値が 7.0 以下であった満期産の新生児の新生児期死亡のリスク(相対危険度,180;95%信頼区間,97~334)の 8 倍であった.
アプガーの採点法は,ほぼ 50 年前と同様に,今日でも新生児期の生存の予測に有意義である.