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August 9, 2001 Vol. 345 No. 6

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生死にかかわる心室性頻拍性不整脈後の運転の再開
Resumption of Driving after Life-Threatening Ventricular Tachyarrhythmia

T. AKIYAMA, J.L. POWELL, L.B. MITCHELL, F.A. EHLERT, AND C. BAESSLER

背景

車を運転する権利は尊重されなければならないが,他人に脅威をもたらす場合には運転の制限が必要かもしれない.生死にかかわる心室性頻拍性不整脈の患者への運転の許可に関連したリスクは,定量的に示されていない.

方 法

抗不整脈薬と植込み型除細動器の比較(AVID)試験では,死にいたりかけた心室性不整脈から蘇生した患者を対象として,抗不整脈薬療法と除細動器の植込みの比較を行った.この試験では,AVID 試験の参加患者に,無記名式の質問票を送り,運転習慣と運転経験に関する情報を求めた.

結 果

質問票は,患者 909 例中 758 例(83%)から返送された.これらの患者のうち 627 例が,心室性頻拍性不整脈の指標エピソードの前年には運転していた.これらのうちの合計 57%が AVID 試験での無作為化後 3 ヵ月以内に,78%が 6 ヵ月以内に,88%が 12 ヵ月以内に運転を再開していた.運転中に,2%に失神が,11%に車の停止を必要とする目眩または動悸が,22%に車を停止させるにはいたらなかった目眩または動悸が発現し,植込み型電気除細動器の植込み患者 295 例のうちの 8%は,除細動器からの電気ショックが与えられた.50 例の患者が少なくとも 1 件の事故を報告し,合計では,55 件の報告が運転再開後から 1,619 患者-年の追跡調査期間中にあった(患者 - 年当り 3.4%).これらの事故の 11%でのみ,不整脈と考えられる症状が先行していた(患者 - 年当り 0.4%).

結 論

心室性頻拍性不整脈のほとんどの患者が,早期に車の運転を再開している.これらの患者では,運転中における不整脈と考えられる症状の発現はよくあることだが,事故はまれであり,その発生頻度は米国の一般運転人口における年間事故発生率の 7.1%よりも低い.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 391 - 7. )