The NEW ENGLAND JOURNAL of MEDICINE

日本国内版

年間購読お申込み

日本語アブストラクト

August 9, 2001 Vol. 345 No. 6

Share

Share on Facebook
Facebookで共有する
Share on Twitter
Twitterでつぶやく
Share on Note
noteに投稿する

RSS

RSS

重症髄膜炎菌性敗血症における内皮プロテイン C の活性化異常
Dysfunction of Endothelial Protein C Activation in Severe Meningococcal Sepsis

S.N. FAUST AND OTHERS

背景

プロテイン C 抗凝固経路の障害は,敗血症と関連した血栓症および髄膜炎菌血症における電撃性紫斑病の発症に決定的なものである.われわれは重症髄膜炎菌血症と紫斑あるいは点状出血の病変が存在する小児の皮膚の微小血管系において,トロンボモジュリンおよび内皮プロテイン C 受容体の発現について検討した.

方 法

内皮の完全性と,トロンボモジュリンおよび内皮プロテイン C 受容体の発現についての評価を,髄膜炎菌性敗血症の小児 21 例(年齢の中央値,41 ヵ月)から採取した紫斑(病)病変の生検検体において,対照の皮膚生検検体との比較によって行った.

結 果

内皮トロンボモジュリンおよび内皮プロテイン C 受容体の発現は,血栓が存在していた血管と存在していなかった血管の両方において,対照者よりも髄膜炎菌性敗血症の患児で低かった.電子顕微鏡検査では,血栓形成血管と非血栓形成血管の両方において,内皮細胞はおおむね影響がなかった.髄膜炎菌性敗血症小児の血漿中トロンボモジュリン濃度(中央値,6.4 ng/L)は,対照者よりも高値であった(中央値,3.6 ng/L;p = 0.002).プロテイン C 抗原,プロテイン S 抗原,および抗トロンビン抗原の血漿中濃度は,対照者よりも低かった.濃縮活性化プロテイン C の治療を受けた 2 例の患者では,活性化プロテイン C は入院時に検出不能で,その血漿中濃度は低値のままであった.

結 論

重症髄膜炎菌性敗血症では,プロテイン C の活性化が損なわれており,これは,内皮トロンボモジュリン–内皮プロテイン C 受容体の経路の負の制御と一致する結果である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 408 - 16. )