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August 9, 2001 Vol. 345 No. 6

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小児における脳洞静脈血栓症
Cerebral Sinovenous Thrombosis in Children

G. DEVEBER AND OTHERS

背景

小児における脳洞静脈血栓症は重篤な疾患であり,その予防および治療に関する情報が求められている.

方 法

カナダ小児虚血性発作登録(the Canadian Pediatric Ischemic Stroke Registry)は,1992 年に,カナダの 16 の小児三次医療センターで開始された.洞静脈血栓症の症状が認められ,X 線写真による確証が得られた小児(新生児~18 歳)が組み入れられた.

結 果

登録の開始から 6 年間に,160 例の連続した洞静脈血栓症の小児が組み入れられ,この疾患の発症率は小児 100,000 人当り 0.67 例/年であった.新生児が冒されるのがもっとも一般的であった.これらの小児の 58%に痙攣発作,76%に広範性散在性の神経学的徴候,および 42%に焦点性の神経学的徴候が発現していた.危険因子は,頭頸部の疾患(29%),急性全身疾患(54%),慢性全身疾患(36%),および凝血傾向状態(41%)であった.静脈梗塞は 41%の小児に発生していた.これらの小児の 53%が抗血栓薬の投与を受けていた.神経学的欠損は 38%の小児に存在し,8%が死亡した;死亡の半分は洞静脈血栓症によるものであった.有害神経学的転帰の予測因子は,来院時における発作と,静脈梗塞であった.

結 論

小児の洞静脈血栓症は,主に新生児に発症し,その約半数の症例で神経学的障害や死亡という結果に終る.静脈梗塞の発生あるいは発作の発現が,不良な転帰の前兆である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2001; 345 : 417 - 23. )