August 30, 2001 Vol. 345 No. 9
平日との比較における週末に入院した患者の死亡率
Mortality among Patients Admitted to Hospitals on Weekends as Compared with Weekdays
C.M. BELL AND D.A. REDELMEIER
日々の疾患の負荷はおそらく一定であろうと考えられるにもかかわらず,病院の職員配置の水準は,平日よりも週末で低くなっていることが多い.重篤な病態の患者の院内死亡率が,週末に入院したか,それとも平日に入院したかによって異なるのか否かについては確認されていない.
われわれは,1998~97 年のあいだの,カナダ,オンタリオ州の救急部門におけるすべての救急医療入院(合計 3,789,917 件)について分析した.死亡のもっとも一般的な原因となっていた 100 種類の病態(1,820,885 件の入院)についてだけでなく,前もって特定しておいた 3 疾患:腹部大動脈瘤破裂(入院件数,5,454 件),急性喉頭蓋炎(1,139 件),および肺塞栓症(11,686 件)と,対照の 3 疾患:心筋梗塞(160,220 件),脳内出血(10,987 件),および急性股関節骨折(59,670 件)についても,週末入院患者の院内死亡率を,平日入院患者の院内死亡率と比較した.
週末入院は,腹部大動脈瘤破裂(42% 対 36%,p<0.001),急性喉頭蓋炎(1.7% 対 0.3%,p = 0.04),および肺塞栓症(13% 対 11%,p = 0.009)の患者において,平日入院よりも有意に高い院内死亡率と関連していた.これらの死亡率の差は,年齢,性別,および合併症で補正しても,これらの 3 診断のすべてにおいて存続していた.対照の 3 診断では,平日入院と週末入院のあいだで,死亡率に有意な差は認められなかった.週末入院は,上位 100 位までの死因の 23 種類において有意に高い死亡率と関連していたが,これらのどの病態においても有意に低い死亡率には関連していなかった.
いくつかの重篤な医学的状態の患者は,平日に入院した場合よりも週末に入院した場合に,病院で死亡する可能性が高い.