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April 25, 2002 Vol. 346 No. 17

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天然痘ワクチンの用量関連効果
Dose-Related Effects of Smallpox Vaccine

S.E. FREY AND OTHERS

背景

臨床的成功率,液性免疫応答および細胞傷害性 T 細胞とインターフェロン γ 産生 T 細胞のウイルス特異的活性を評価するために,ワクチン接種歴のない成人を対象に,種痘ウイルスワクチンの 3 種の希釈液を用いて二重盲検無作為試験を実施した.

方 法

60 人の健常成人にワクチン原液(用量,1 mL 当り 107.8 プラーク形成単位[ pfu ]),1:10 希釈液(用量,106.5 pfu/mL)または 1:100 希釈液(用量,105.0 pfu/mL)のいずれかを二叉針で皮内接種した.被験者は各群 20 人とした.小疱形成(ワクチン接種成功の指標),病変形成ピーク時のウイルス力価,抗ウイルス抗体,ならびに細胞性免疫応答について被験者を観察した.

結 果

種痘小疱は,ワクチン原液接種の 20 人中 19 人(95%),1:10 希釈液では 20 人中 14 人(70%),1:100 希釈液では 20 人中 3 人(15%)で発現した.ワクチン接種の 1 ヵ月後,種痘ウイルス複製の臨床所見がみられない 24 人では 1 人しか抗体反応を示さなかったのに対し,小疱形成を示した 36 人中では 34 人が抗体反応を示した.小疱を示した被験者の 94%で活発な細胞傷害性 T 細胞およびインターフェロン γ 産生 T 細胞の応答が認められ,小疱を示さなかった被験者では細胞傷害性 T 細胞応答は 1 人にしか認められなかった.

結 論

種痘ウイルスワクチン(1982 年かそれ以前に生産されたもの)は,ワクチン接種歴のない成人に二叉針で接種した場合依然として十分な効力を示す.ワクチンを希釈すると,ワクチン接種の成功率は低下する.ワクチン接種後の小疱性皮膚病変の発現は,痘疹ウイルス感染を除去するのに不可欠と考えられる抗体および T 細胞応答の誘発と相関している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 1275 - 80. )