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June 27, 2002 Vol. 346 No. 26

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経口避妊薬と乳癌のリスク
Oral Contraceptives and the Risk of Breast Cancer

P.A. MARCHBANKS AND OTHERS

背景

経口避妊薬の使用が,乳癌の発生率が増加する晩年における乳癌のリスクを増加させるかどうかは不明である.そこでわれわれは,経口避妊薬を以前使用していた女性および現在使用している女性の乳癌のリスクを検討するため,人口ベースの症例対照研究を実施した.

方 法

35~64 歳の女性に問診を行った.問診は全体で乳癌女性 4,575 例,対照群 4,682 例に行った.乳癌の相対リスク(罹患密度の比)の推定値としてオッズ比を計算するため,条件付きロジスティック回帰を用いた.

結 果

相対リスクは,経口避妊薬を現在使用している女性では 1.0(95%信頼区間 0.8~1.3),以前使用していた女性では 0.9(95%信頼区間 0.8~1.0)であった.使用期間が長くなること,またはエストロゲン量が高用量になることによって相対リスクが増加することはなかった.白人女性と黒人女性では結果は同様であった.乳癌の家族歴を有する女性の経口避妊薬の使用は,乳癌のリスク増加とは関連しておらず,また若年で経口避妊薬の使用を開始したことも乳癌のリスク増加とは関連していなかった.

結 論

35~64 歳の女性において,現在または過去における経口避妊薬の使用は乳癌リスクの有意な増加とは関連していなかった.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 2025 - 32. )