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January 10, 2002 Vol. 346 No. 2

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進展型小細胞肺癌に対するイリノテカン+シスプラチン療法とエトポシド+シスプラチン療法の比較
Irinotecan plus Cisplatin Compared with Etoposide plus Cisplatin for Extensive Small-Cell Lung Cancer

K. NODA AND OTHERS

背景

塩酸イリノテカンは I 型トポイソメラーゼ阻害剤であり,小細胞肺癌に有効である.進展型小細胞肺癌患者にイリノテカン+シスプラチンを投与した第 2 相試験では,高い奏効率と有望な生存期間中央値が得られた.

方 法

多施設共同研究により無作為化第 3 相試験を行い,進展型(転移性)小細胞肺癌患者におけるイリノテカン+シスプラチン療法とエトポシド+シスプラチン療法を比較した.

結 果

計画時の臨床試験のサンプルサイズは 230 例であったが,中間解析でイリノテカン+シスプラチン投与群とエトポシド+シスプラチン投与群の生存期間に大きな統計学的有意差を認めたため,症例登録をすぐに中止し,結果として,登録者数は 154 例となった.生存期間中央値は,イリノテカン+シスプラチン群では 12.8 ヵ月,エトポシド+シスプラチン群では 9.4 ヵ月であった(補正なし log-rank 検定で p=0.002).生存患者の割合(生存率)は,2 年後イリノテカン+シスプラチン群では 19.5%,エトポシド+シスプラチン群では 5.2%であった.重症または致死的な骨髄抑制はイリノテカン+シスプラチン群に比しエトポシド+シスプラチン群で多く,重症または致死的な下痢はエトポシド+シスプラチン群に比しイリノテカン+シスプラチン群で多かった.

結 論

イリノテカン+シスプラチン療法は,進展型小細胞肺癌に有効な治療法である.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 346 : 85 - 91. )