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October 3, 2002 Vol. 347 No. 14

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たばこ対策プログラムへの州の支出とたばこ和解
State Expenditures for Tobacco-Control Programs and the Tobacco Settlement

C.P. GROSS, B. SOFFER, P.B. BACH, R. RAJKUMAR, AND H.P. FORMAN

背景

たばこ業界との和解合意により生じる資金の使用を取り巻く論争にもかかわらず,州のたばこ対策プログラム費用におけるこれら資金の役割についてはほとんど知られていない.

方 法

たばこ和解資金の受領金額とたばこ対策プログラムへの配分額,および他の州レベルの経済データと健康データに関連させて,2001 年会計年度のたばこ対策プログラムに対する州の費用を評価した.

結 果

2001 年では,平均的な州は,たばこ和解から 1 人当り 28.35 ドル受け取ったが,これら資金の約 6%がたばこ対策プログラムに配分された.平均的な州は,たばこ対策プログラムに対し 1 人当り 3.49 ドル(範囲 0.10~15.47 ドル)を充てた.たばこ対策プログラムに配分された和解資金の割合は 0%から 100%とさまざまであり,たばこ対策資金のレベルに強く関連していた(P<0.001).喫煙率が高い州のほうが,たばこ対策プログラムへの 1 人当りの出資金は少なく(P=0.007),たばこを生産している州も同様であった(1 人当りの平均費用は,たばこを生産していない州では 3.81 ドルであったのに対し,1.20 ドルであった;P<0.008).多変量解析では,たばこ対策プログラムに配分された和解による収入の割合が,たばこ対策資金総額の主要な規定要因であった;州のたばこ関連の健康負荷は,たばこ対策への出資とは関連していなかった.

結 論

州の健康ニーズが,州のたばこ対策プログラムへの出資にほとんど影響していないように思われる.たばこ和解で得た資金のほんのわずかな割合しかたばこ抑制プログラムに使用されていないので,たばこ和解は,喫煙による罹患率や死亡率を減少させる機会にはならないことを示している.

英文アブストラクト ( N Engl J Med 2002; 347 : 1080 - 6. )