October 3, 2002 Vol. 347 No. 14
喫煙者のための電話禁煙相談の実地における有効性の証拠
Evidence of Real-World Effectiveness of a Telephone Quitline for Smokers
S.-H. ZHU AND OTHERS
禁煙カウンセリング(電話禁煙相談)を提供する電話サービスが,有効性を示す臨床試験の結果に後押しされて,ここ数年で数多く生まれている.しかし,これらの結果が現場での効果となり得るかどうかはいまだ疑問である.
カリフォルニア州の喫煙者支援相談の継続中のサービスに,無作為比較対照試験を組み込んだ.相談者を無作為に治療群(1,973 人)あるいは対照群(1,309 人)のいずれかに割付けた.全参加者が自習用資料を受け取った.治療群の相談者は,最多 7 回までカウンセリングを受けるよう割当てられ,対照群の相談者は無作為化後にカウンセリングのために電話をかけてきた場合にカウンセリングを受けることができた.
カウンセリングは治療群の 72.1%と対照群の 31.6%に行われた(平均 3 回).intention-to-treat 解析によれば,1 ヵ月,3 ヵ月,6 ヵ月および 12 ヵ月での禁煙率は,治療群では,それぞれ 23.7%,17.9%,12.8%,9.1%であり,また対照群では,それぞれ 16.5%,12.1%,8.6%,6.9%であった(P<0.001).カウンセリングを受けた対照被験者のサブグループとそれに対応する治療サブグループの両方を除く解析は,カウンセリングが禁煙率を約 2 倍にしたことを示している:治療群に残っている被験者では,1 ヵ月,3 ヵ月,6 ヵ月および 12 ヵ月の禁煙率は,それぞれ 20.7%,15.9%,11.7%,7.5%であったのに対し,対照群に残っている被験者では,禁煙率はそれぞれ 9.6%,6.7%,5.2%,4.1%であった(P<0.001).したがって,治療群と対照群に残っている被験者間の 12 ヵ月の禁煙率の絶対差は,3.4%であった.少なくとも一度は禁煙を試みた被験者における 12 ヵ月の禁煙率は,治療群では 23.3%,対照群では 18.4%であった(p<0.001).
これまで有効であると証明された禁煙のための電話カウンセリングプロトコルは,現実の状況に移した場合にも有効であった.この成功は,電話禁煙相談の利用性の向上を求める公衆衛生局ガイドラインを支持している.